2022年の振り返り

今年もあとわずか。

まる3年を経過するも、コロナ禍は収まらず、第8波の様相を呈しつつ年末を迎えそうである。

本年2月に発生したロシアのウクライナ侵攻は未だ収まらず、こちらも世界の地政学的リスクが拡大しつつ年末を迎える。

日本海には、年末に至るも北朝鮮のミサイルが飛び交っている。

年末に、にわかに防衛論議が起き、サッカーワールドカップカタール大会の盛り上がりを吹き飛ばしている。

一方で、メディアが注目しなかった重大な出来事も少なくない。誰一人取り残さない(SDGs)と謳うなら、こうした事実に目を背けるわけにはいかない。

時代の揺らぎを感じさせる2022年であった。

参考:2022年の出来事 時事通信フォト 
参考:2022年潜んだ世界の10大ニュース 2022年12月15日 GNV

コロナ禍

WHOのサイトによると、2022年12月16日午後5時7分(CET)の時点で、WHO に報告されたCOVID-19の累積感染者数は647,972,911人、累積死亡者数は6,642,832人に達している。感染者の1.0%が死亡していることになる。世界人口は2022年11月15日に80億人を突破しているが、その8%がCOVID-19に感染したことになる。

これに対して、日本の2022年12月17日時点の累積感染者数は 26,980,236人(世界の4.1%)、累積死亡者数は53,087人(世界の0.8%)となっている。日本の死者は世界から見れば相対的に少なく、結果だけ見れば、コロナ対策が効果を発揮したと言えるがその原因は現時点では定かではない。

出典:WHO コロナウイルス (COVID-19) ダッシュボード 

感染者数や死亡者数に関する国による統計のばらつき・欠落等を考慮した2020年と2021年の超過死亡数は全世界で1,483万人と推定され、この期間に COVID-19 が原因であると報告された 542万人の死亡者数の 2.74 倍となっている(日本の超過死亡率はマイナス)。これを用いると、現時点(3年間)では今回のCOVID-19による死亡者数は約1,800万人と推計され、今後の全世界(とりわけ中国の感染爆発)の予測を見込みと、約2,000万人規模の超過死亡者数が見込まれることになる。これは、16世紀の「天然痘パンデミックと同程度となる。やはり今回のCOVID-19によるパンデミックは歴史的なパンデミックと云える。

出典:COVID-19 パンデミックに関連する過剰死亡率の WHO 推定値 公開:2022年12月14 日 nature 

日本において、コロナ対策に費やされた予算は、令和3年度(補正予算を含む)において77兆円に達し、今年度(令和4年度)も5兆円の予備費が予算化されている。その使い方、その効果については歴史的な検証が不可避であろう。公文書等を廃棄することなく残し、今後に活かして欲しい。

出典:令和4年度予算のポイント 財務省

参考:検証 コロナ予算77兆円 NHK

出典:あなたの使った”コロナ予算”をクイック診断! NHK

ウクライナ侵攻

コロナ禍の中、ロシアがウクライナ侵攻を開始して、10ヶ月を経過するも、停戦の兆しはなく、年末を迎える。なんとなく、第一次世界大戦下にパンデミック化したスペイン風邪を想起させる。食料・エネルギー、気候変動対応(COP27)、ESG投資、SDGs等、さらには新たな世界分断・地政学的リスク等、世界に本質的な問い直しを惹起している。参考:第Ⅰ部 第1章 世界経済に対する地政学的不確実性の高まりと経済リスク 通商白書2022 経済産業省 
参考:国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27) 結果概要 令和4年11月22日 外務省

その他の視点にみる2022年

 

2023年は、コロナ禍が収束し、ウクライナ侵攻も停戦し、新たな地平への年になることを期待したい。