新型コロナ惨敗の認識を

コロナ対策の遅れがポストコロナの出遅れに

世界で新型コロナ感染が止まらない。感染者は1.5億人に迫り、死亡者は310万人を超えた。 こうした中、日本の感染状況は人口に比して低い状況にあるも、感染者数は56万人、死亡者も1万人を超えた(2021.04.26現在)。現在、変異株による第4波の状況下にあり、医療崩壊が危惧され、3度目の緊急事態宣言が出されている。

 

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出典:WHOコロナウイルス(COVID-19)ダッシュボード

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出典:データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報- 厚生労働省

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パンデミック収束はワクチン接種による集団免疫獲得にかかっているが、ワクチン供給と接種のスピード・エリアに偏りがある。英医療調査会社エアフィニティーの12月8日付発表によると、ワクチン接種が進んだ国の集団免疫獲得時期は2021年と予測され、アフターコロナに向けた動きが出始めている。

日本のようにワクチン接種が遅れている国は、2022年以降に集団免疫獲得時期が遅れるとのこと。日本は、医療従事者や高齢者などの感染リスクの高い人々にワクチンが普及する時期が21年10月で、集団免疫獲得時期は2022年4月と先進国では最後と予測されている。なお、中国は2022年10月、インドは2023年2月まで、集団免疫が遅れると予測されている。オリンピック・パラリンピックの開催よりも、今後を考えればワクチン接種を急ぐ方が日本の国益にかなうのではなかろうか。

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出典:コロナウイルス(COVID-19)ワクチン接種

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出典:日本のワクチン接種「集団免疫獲得は20224月」。アメリカとの差は1年(英調査会社) HUFFPOST  20201210 1614 JST | 更新 20201210 1650 JST

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出典:繰り返される緊急事態宣言の発出と解除 第一生命経済研究所 2021.04.23

ポストコロナに向けたスタートの出遅れは当然ながらその後の経済回復に大きな影響を及ぼすことになる。IMFの最新の予測によると、日本の経済成長率は世界でも最低レベルと予測されている。過去30年、世界から取り残され、ポストコロナにおいても出遅れることは致命的である。

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出典:世界経済見通し (WEO) 20214月 国際通貨基金 

ここは乾坤一擲、イノベーションを興すしかない

日本が集団免疫獲得までこれから1年程度要するのは諸般の状況から鑑みて確度は高いと思われる。その間に、何をなすべきか。コロナ禍で見えてきた新たな動きを加速し、一気にイノベーション(創造的破壊)を起こすしかないのでなかろうか。

コロナ禍に対して既往の各種制度・システムが機能せず、加えて実質的に何らの対策を打てず、「国民へのお願い」しか要請できず、PCR検査拡充をせず、コロナ開発ができず、ワクチン確保競争に負け、ワクチン接種が遅れ、財政・経済・国民に痛みを負わせるという「新型コロナ惨敗」は、「明治維新」、「第二次世界大戦敗戦」と同じレベルの事態である。だからこそ、ここで一気に変わるチャンスとして認識すれば、大いなるイノベーションを興せるのではなかろうか。

それでは、そうした歴史的なイノベーションはどこからどのように興るのか。それは「地方」からの「個」である。敗戦後以来の復興(イノベーション)の時代は終わり、直近30年の踊り場を経て、いままた新たな復興(イノベーション)を興すには、既往の仕組みの中心地・中心者からは難しい。

そういう意味で、「地方創生」は極めて重要となる。コロナ禍を踏まえ、ポストコロナを見据え、この1年間が勝負の年である。しっかりと考え、道筋をつけたいものである。