新型コロナウィルス禍のこの1年の振り返り

2020年は新型コロナウィルス感染症パンデミックで明け暮れた1年であった。Japa日本専門家活動協会では、こうしたパンデミックの経緯をアーカイブするべく、「新型コロナウィルス感染症特設コーナー」を立ち上げ、随時、アーカイブすべき情報を選別し、アップしてきた。年末にあたり、その事実経過を振り返るべく整理した。

詳細情報は、「新型コロナウィルス感染症特設コーナー」を見て欲しい。

 発生からパンデミック宣言まで

中国湖北省武漢市で新型コロナの発生(当時は原因不明の肺炎)が報じられたのが2020年の年明け早々であり、少なくとも2019年12月には発生していたことになる。
発生時期・場所には巷間、諸説いわれているが、ゲノム分析からすると、「ウイルスは3つに大別でき、コウモリから人間に感染したのは9月13日から12月7日の間」とのこと。(英ケンブリッジ大学のピーター・フォスター博士らの研究チームの証言)
出典:新型コロナの誕生は昨年9月13日~12月7日 英ケンブリッジ大チーム 地域適合型の変異を繰り返す 木村正人 | 在英国際ジャーナリスト4/19(日) 20:56 

そして、中国がWHO中国事務所に通知したのが、2019年12月31日。明けて、今年2020年1月15日に、日本国内において、武漢滞在歴のある肺炎患者が報告され、検査の結果、新型コロナウイルス感染症の1例目が確認された。
2020年1月23日、中国は武漢市を都市封鎖。日本は、2020年1月27日、新型コロナウィルス感染症を指定感染症に指定。
出典:新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令等の施行 について(施行通知) 厚生労働省 令和2年1月28日
そこへ、2020年02月01日 ダイアモンドプリンセス号[船籍イギリス]の乗客1名に新型コロナウイルス陽性が確認され、2月3日に横浜港に入港した船からの下船を許可せず。検査・検疫を実施し、船長を含め全員(乗客2,666人、乗員1,045人、合計3,711人)が下船したのは3月1日であった。
出典:現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例 (2020年2月19日掲載) 国立感染研究所 
WHOは、2020年3月11日にようやく、パンデミック宣言」を行った。これを受け、​2020年03月24日、IOC・日本政府は、東京国際フォーラムパラリンピックの延期を決定した。
出典:WHO、新型ウイルス感染拡大は「パンデミック」 積極的な対応呼びかけ、BBC NEWS JAPAN、2020年03月12日

感染者数・感染エリアの拡大

2020年04月02日、世界の感染者数が100万人を超え、日本政府は2020年4月7日に「緊急事態宣言」を発する。この緊急事態宣言は、2020年5月25日に全面解除される。
出典:新型ウイルス感染者、世界で100万人超える BBC News 2020年04月3日

WHOが、2020年6月5日、初めてマスクの効果を認め、マスクに関する新たな指針を発表した。

パンデミックが世界的に拡大する中、日本政府は、2020年6月24日、「人と人の接触8割減」「新しい生活様式」等の提言をしていた新型コロナウイルス感染症対策専門家会議を廃止した。

2020年6月28日に、世界の感染者数が1,000万人を超え、その後の感染者数の拡大が早まっている。
 6月28日:1千万人超
 8月11日:2千万人超
 9月18日:3千万人超  9月29日:感染死者数 100万人超
 10月19日:4千万人超
 11月8日:5千万人超
 11月26日:6千万人超
 12月12日:7千万人  12月3日:感染死者数 150万人超
 12月24日:7,878万人  感染死者数:173.2万人
日本国内の新型コロナの新規感染者は11月26日、全国で2500人を超え、重症者は410人に達し、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は27日、衆院厚生労働委員会で、現在の感染状況について、「人々の個人の努力だけに頼るステージはもう過ぎた状況」との認識を示した。

こうした中、在日米陸軍司令部は、2020年12月3日、公式フェイスブックによると、首都圏(主に東京都、神奈川県、千葉県の人口密集地)を「Off limits(立ち入り禁止)」に定め、150キロ圏内を「Liberty boundary(自由行動禁止)」に指定した。行動制限の中でも、飲食店の利用は明確に禁止された。

ようやくここに至り、2020年12月14日 政府はGoToトラベルを全国で一時停止[12月28日~1月11日]ことを発表した。

そして、ついに、南極大陸のチリの基地でも36人の感染者が発生し、1年で地球上の全ての大陸にコロナ感染が到達した。

ワクチン開発と接種

2020年11月18日、​米ファイザーと独ビオンテックは、共同開発している新型コロナワクチンの臨床試験(第3相)の最終評価を公表し、95%の予防効果が認められたと発表した。

2020年12月5日、​ロシアの首都モスクワでは5日、70か所の医療機関で、医療関係者や教師などに対する新型コロナウイルスの国産ワクチン「スプートニクV」の接種を開始した。
続いて、2020年12月8日、イギリスでも米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。

そして、2020年12月14日、アメリカでも米ファイザーと独ビオンテック製のワクチンのン接種が開始された。