26年を経過した阪神・淡路大震災に想ふ 

本日(2021.1.17)、阪神・淡路大震災[犠牲者6,234人、住宅全半壊約25万棟]の発生から26年が経過した。阪神高速道路の高架構造箇所が倒れ、多くの建物が倒壊・屈折した衝動的な映像から26年。

筆者自身は、当時の所属企業内に立ち上げたばかりの「社会リスク研究会」の実践として、発災後の関連主体の動き等をアーカイブするべく情報の収集及び体系的整理を行い、発災直後の混乱が収まった3か月後に現地に入り実態を直接確認し、米国のFEMA(Federal Emergency Management Agency 連邦緊急事態管理庁に倣った「3か月後レポート」を作成し、関係者に配布させて頂いた。

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震災の2カ月後、神戸、西宮、宝塚3市の6地区(計33.4ha)で、総事業費計約4,890億円をかけた再開発事業が計画決定され、地権者ら約1,600人との交渉に時間がかかり、土地の買収が難航していた新長田駅南地区(20.1ha)を除く地区の事業は2005年までに完了した。

国としては、2000年(平成12年)2月23日に、阪神・淡路復興対策本部の設置期限にあわせ、平成12年 2月22日に関係省庁連絡会議が設置され、引き継がれた。

その後、この被災地で唯一残っていた新長田駅南地区についても、2020年(令和2年)2月の神戸市都市計画審議会で承認され、事業終了の見通しが立ち、震災から25年を経て、ようやく復興を掲げた再開発事業計画がすべて完了となる。

この間の被災状況、復旧・復興過程において、膨大な記録(映像等を含む)、報告・研究・提言がなされたが、その多くが逸散・逸失しているのではなかろうか。「緊急事態管理庁」のような組織で一元的にそうした緊急時における対応と次に活かす承継をして欲しいものである。そうした組織があれば、民間企業・団体が作成した関連資料を預け、アーカイブ化する仕組みも可能となる。

【国】

阪神・淡路大震災教訓情報資料集阪神・淡路大震災の概要 内閣府 防災情報のページ
阪神・淡路大震災復興誌 平成 12年 2月23日 内閣府 防災情報のページ
阪神・淡路大震災教訓情報資料集阪神・淡路大震災教訓情報資料集のダウンロード

【地元自治体】

  いずれにしても、阪神・淡路大震災から26年を経て、復興事業がようやく区切りを見せたが、その間にも、我が国の地震は頻発・大規模化している。パンデミックも10年単位で発生している。

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緊急事態として、21世紀以降は自然災害だけでなく、パンデミックも考慮することが不可避となっている。「緊急事態庁」のような組織があって初めて、人の命を守る国づくり、まちづくりができる。国づくり・まちづくりの隠し味として、平常時に非常時を想定した防災・防疫への備えを組み込む仕組みづくりが必要である。いまこそ、「100年の大計」を語る時代ではなかろか。