東日本大震災のその後と今後

平成23年3月11日 14:46に発生した東日本大震災から、丸8年が経過した。今年は、ラグビーワールドカップ2019日本大会、そして来年には東京2020オリンピック・パラリンピックが開催される。ラグビーワールドカップの会場の一つとなる釜石鵜住居復興スタジアムも2018年7月末に完成している。
改めて、被災後のその後と今後について概観する。

 注:東日本大震災に関するJapa日本専門家活動協会の提言・報告 
   ▶提言:東日本大震災からの復興に向けて ~新たな価値観に基づく自律分散協調型社会づくりを~、2011年6月27日
   ▶報告:東日本大震災から2年を経て ~情報支援サイト「復興日本」の運営から見えたもの~、2013年4月11日
   ▶報告:東日本大震災3年後報告「東⽇本⼤震災から3年 いま改めて創造的復興を」、2014年3月18日

映像で見るその後

福島第一原発事故被害地域を除く沿岸域は、地震津波被災の痕跡が消え、盛り土による嵩上げや高台移転、そしてハード的な国土強靭化の一環としてなされる防潮堤工事(最大高さ14.7m)等が進んでいる。しかし、物理的なインフラ復旧は進んでいるように見えるが、果たして、そのような復興が元々過疎地であった被災地が、日本の総人口減少、高齢者単独世帯が太宗化する時代の流れの中で、今後のあり方に沿ったものかどうかは疑問が残る。

一方、福島第一原発事故被害地域はその痕跡というか、事故の影響は未だに続いている。核燃料ジブリをはじめとする汚染施設そのものをどう廃棄処理するのか、増え続ける汚染土仮置き場、汚染処理水タンク群をどうするのか、問題は山積したままである。

50~100年後を見据えた対応が求められる。

●REC from 311~復興の現在地|テレビ朝日
東日本大震災8年、復興なお途上 空から見た被災地、日本経済新聞、 2019/3/3 2:00
東日本大震災、あの頃と今、日本経済新聞、2018.3.9公開
震災から8年 未来を描き始めた東北、日本建設業連合会、ACe 建設業界【2019年3月号】

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震災後も避難先等でなくなる震災関連死者が現在も続いている(累計全国計3,701人)。特に、帰還困難区域等が指定されている福島県での震災関連死者数が今なお多く発生している。加えて、復興住宅での孤独死も少なくない。

福島第一原発事故の影響は、事故に伴う直接的影響(事故処理そのもの、帰還困難・居住制限区域)だけでなく、風評被害の影響も未だに大きな課題となっている。廃炉費用は汚染水の増加によっては80兆円を超える恐れもあるとの試算結果も報告されている。こうした廃炉処理が進まない中、特に、水産加工品への影響は大きく、今後、汚染水放出処理がなさればさらにその影響は続くことが予想される。これは、事故発生直後からのリスクコミュニケーションが現在に至るも適確になされていない証左ではなかろうか。

「販路縮小・喪失・風評被害」等により、震災以降96ヶ月連続で関連倒産が未だに続いている。2018年は収束傾向の兆しが見えてきているがそれでも、毎月平均3.6件が倒産している状況にある。倒産の態様も、「震災の痛手を乗り越え事業再開したが経営が低迷したり、事業停止していた企業がここにきて清算を目的に法的手続きに踏み切るケースが多いとみられる」とのこと。依然、経営的には厳しい状況が続いているとみられる。

東日本大震災における震災関連死の死者数(平成 30 年 9 月 30 日現在調査結果)、復興庁 内閣府(防災担当) 消防庁、平成30年12月28日
復興住宅での孤独死が急増 昨年68人、入居後に孤立か、朝日新聞DIGITAL、3/11(月) 19:51配信
<震災8年ネット調査>暮らし向き 復興足踏み 「厳しく」30%に悪化、河北新報ONLINE NEWS、2019年03月11日
事故処理費用、40 年間に 35 兆~80 兆円に -廃炉見送り(閉じ込め・管理方式)も選択肢に- -汚染水への対策が急務-、日本経済研究センター、2019 年3月 7 日
水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第6回)、水産庁、平成31年3月8日
“震災から8年”「東日本大震災」関連倒産状況(2月28日現在)、東京商工リサーチ、2019.03.08
支援金や復興特需が終わった、東北の事業再生のいま、WEDGE Infinity、2019年3月11日

今後に向けて

東日本大震災関係の復興庁の平成31年度の予算は14,781億円(対30年度1,576億円減)となっている。

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 出典:平成31年度 内閣・内閣本府等、復興庁及び外交関係予算について、ファイナンス、 2019 Mar.
そして、2021年3月末で、10年間の「復興・創生期間」が終了するのと同時に設置期限を迎える復興庁について、後継組織を設置する方針とのこと。

復興庁後継組織の設置明記=改定基本方針を閣議決定、JIJI.COM、2019年03月08日

 

補助金等による支援に依存することなく経済的自立をベースとしつつ、新たな時代環境への適応力(レジリエンス)を有する地域構造・まちづくりに進化することを期待したい。それこそが新たな日本の地方創生に繋がって行くではなかろうか。

コンセプトエンジニアリング

イーロン・マスクの世界感

2019年2月2日、堀井秀之東大名誉教授が主宰しているi.school/JSIC主催の シンポジウム「日本企業最期の機会領域:社会イノベーションを考える」において、出演者の一人である石川善樹氏[予防医学研究者、医学(博士)]が示された「イーロン・マスクはどう考えるか?」「スペースXの場合」「みなさんの場合」のPPTをみた。イーロン・マスクの(石川氏の解釈による)スケール感ある目標設定、目標達成に向けてのデザイン力に圧倒される。日本企業では太刀打ちできないのではと納得した。

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秩父夜祭にみる地方創生

2018年12月3日(月)、2年前にユネスコ無形文化遺産に登録された秩父夜祭を2年ぶりに観に行った。2度目である。加えて、その後も時々、秩父に来ていることもあり、前回よりも土地勘があり、自由に動ける。今年は、12月2日の宵宮では、歴史を見直し、過去にされていたとのことで、一部の屋台曳き廻しが復活したとのこと。

▼前回のブログ:無形文化遺産に決定した「秩父夜祭」を観る - 仕組みの群像

秩父夜祭2018年 行事案内 パンフレット

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七五三詣で秩父・長瀞に行く

2018年11月11日(日)、孫の七五三詣に、長瀞宝登山神社に行った。レッドアロー号(特急)で西武秩父駅に10:48分に着き、そこから神社まで、迎えに来てくれた娘の車で行った。好天に恵まれ、すでに大勢の観光客が神社を散策している。

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制震・免震偽装事件 何故、性能不正が止まらないのか

地震大国日本に不可欠な耐震(耐震、制震、免震)に関する性能不正が止まらない。何故、過去の失敗に学ばず、不正発覚後の対応コストや社会的影響を顧みず、こうした不正が繰り返されるのだろうか。

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北海道の電力系統のブラックアウトについて

2018年(平成30年)9月6日3時7分59.3秒、「平成30年北海道胆振東部地震」が発生し、18分後に道内全域約295万戸で停電するという日本では初めての「ブラックアウト」と云われる事象が発生した。東日本大震災の時に実施された「計画停電」の実施も検討されたが、実施には至っていない。

北海道胆振東部地震 - Wikipedia

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東京国立博物館で「縄文展」を観る

2018年8月21日(火)、上野公園内にある東京国立博物館平成館で開催されている「縄文展」を観に行った。気温は31度。やや暑いが、危険な暑さでなかったことと、入口での待ち時間が少なく、助かった。

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「平成30年7月豪雨」が示唆すること

被害の実態と対応

2018年(平成30年)6月28日から7月8日にかけて発生し、広範囲の地域に被害をもたらした前線及び台風第7号による大雨等を気象庁が「平成30年7月豪雨」と命名(同年7月9日14:00)した。

今回の豪雨の特徴は、広い範囲における長時間に渡る記録的な大雨にある。このため、河川の氾濫、浸水害、土砂災害等が発生し、死者219名、行方不明者10名(何れも、H30.7.22 05:45現在)、及び、全国各地で断水や電話の不通、道路・鉄道の寸断等のライフラインに大きな影響をもたらした。H30.7.21 20:00現在も、避難者は13府県に渡っており、避難者総数は4,439人に上っている。鉄道の復旧も時間を要しそうである。

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歴史の転換点なのか

米朝首脳会談

歴史的と云われる米朝首脳会談が行われた。その評価は分かれている。会談の評価は、会談後の両国の実際の動きによってはじめてできるものであり、現時点での評価は難しい。しかし、この会談がなされたという事実は大きい。欧州、中東、そして東アジアからの米国の縮退の流れが事実として起きている。米国のこれまでの民主主義、自由主義、グローバル主義の理念追求型から、「アメリカ・ファースト」、「1国対1国のディール」型に変質している。国としての外交が変質している。

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