土地利用の前に土地管理を

空き家問題に潜む土地管理問題

最新の住宅・土地統計調査(2023年10月1日現在値)の速報値が2024年4月30日には発表された。これによると、「我が国の総住宅数は6,502万戸(2023年10月1日現在)、2018年から4.2%(261万戸)の増加」の一方で、「空き家数は900万戸と過去最多、2018年から51万戸の増加、空き家率も13.8%と過去最高」。空き家の中で特に問題となる「 賃貸・売却用や二次的住宅(別荘など)を除く空き家が37万戸の増加」という状況になっている。

わが国の人口・世帯構造の動向からみて、今後も空き家が増えるのは確実であり、その相続絡みでの土地・建物の管理放棄(含む農地・山林の耕作放棄・手入れ放棄を含む)、所有権放棄・不明(すなわち、管理者不在)もまた増加し、社会問題化するのは必至である。これを受けて、関連対策が取られ始めている。

参考:多死社会で増加する相続をめぐる課題 ― 家族・社会の変化を踏まえた対応を ― 2024 年 3 月 25 日 ㈱日本総合研究所
参考:所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)令和5年10月31日 法務省
参考:所有者不明土地法の見直しに向けた方向性のとりまとめ 令和3年 12 月 国土審議会土地政策分科会企画部会
参考:所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成 30 年法律第 49 号)
 
しかし、空き家が建っている土地そのものに関する事実データ(地籍)の把握が不十分であることについての認識、危機感が行政(特に、基礎自治体)、国民/住民ともに薄い。災害時等の対応、防衛上の観点から大きな課題となっている。加えて、時代環境にあった土地利用をどうするかの枠組み/仕組みについての本質的な議論も十分ではない。

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