空き家問題と対策

まちの盛衰・空き家の盛衰

数年前から、自宅の最寄り駅(所沢駅)周辺の農地(茶畑、耕作放棄地等)や空き地が駐車場になったり、アパート・マンションがどんどん建っている。それがすぐに埋まっていく。最近は、少しでも空きスペースができると24時間稼働の駐車場に変わっていく。絶妙の料金設定に感心させられる。空き地の利用価値(時間価値)がよくわかる。

一方で、古いアパートに空室が目立っている。外観修理やWi-Fi無料化等の努力が見られるが、品質の違いは否めない。中には、小規模保育(ミニ保育所)に用途変更しているものもある。昨今の保育園不足を反映して、小規模保育(ミニ保育所)が多い。いわゆる屋外の遊び場がないので近くの公園に集団引率されて遊びに来ている。

 駅西口周辺の再開発エリアも地上げがほぼ完了したのかあきらめたのか、中途半端な形ながらもようやく動き出し、高層マンションが建ち始めた。一部エリアは高層マンションに反対があり、戸建て用に分譲されている。再開発エリアを縫うようにある路地に沿った古い建物がリノベーションされ、雰囲気が変わり始めている。この再開発エリアの動きに合わせるかのように、長らく凍結されていた東口側の駅ビルも工事が再開された。日々、駅の雰囲気が変わってきている。郊外と云えども都市のダイナミズムを肌で感じられる。

田舎(徳島)に思いをはせると、県庁所在都市の中心地であった商店街はすでにシャッター商店街化して久しく、コーヒー一杯飲む場所を探すのにも苦労する。まちなかの至る所が空き店舗化し、スポンジ状態を呈している。市内にある女房の実家も年老いたおばあちゃん一人(独居高齢世帯)である。その二階は物置化して久しい。変わらないのはお盆の阿波踊り期間中の4日間だけの賑わいである。一方で、山の中の神山町や、海のそばの美波町が全国的に注目されている。

吉野川中流域にある実家周辺はかっての農協や郵便局の建物や大きな屋敷を始め、通りに沿った家屋が空き家化し、あちこち朽ち果て無残な姿をさらしている。子供もほとんどいないという。新しいバイパス沿いに店舗等が移動してきている。

空き家対策の提言

こうした中、縁あって神奈川県の大磯町で関わった空き家対策のガイドラインがこの4月1日より運用開始された。

大磯町空家対策に関する指針~既存ストックを活かし未来につなぐためのガイドライン~

これを機会に、改めて、自らがかって訪問したりお世話になった全国の地方に思いを馳せつつ、空き家の実態と対策を「提言:空き家問題の総合的な取り組みに向けて」としてとりまとめた。幾ばくでもお役に立つことができれば幸いである。

思い起こせば、学生時代から土地バブルの頃まで、土地問題(Dr論も土地問題)に関わっていたが、空き家問題も根っこは同じであると感じた次第である。

提言の最後の「企業をエンジン役とする空き家利活用エコシステムの確立」については、エンジン役の企業とコラボして、大磯町でモデル的に取り組み、それを全国に展開できればと企図している。是非、実現したい。

f:id:newseitenx:20170423232810j:plain