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シニアプロフェッショナル

高齢者活用連絡協議会のリレー執筆によるブログ「群像シルバーカラー」に「シニアプロフェッショナル」というタイトルで投稿(シニア社会ではガキなので、ガキと言いうニックネーム)した。ご笑覧いただければ幸いである。

***以下、群像シルバーカラー「シニアプロフェッショナル」の再掲***

皆さんが使用している携帯電話や高速道路の出入り口にあるETC 、その他様々な機器・装置において、国際標準規格なるものが存在している。例えば、機器・装置で使用する通信の規格をどうするか等々、各国が自国に有利となるよう働きかけをしている。そこでどういう規格が採用されるか次第で、それを使用する機器・装置(商品)の市場がグローバル市場になるか、ローカル市場に留まるかが左右される。 この国際規格に負けると何が起きるか。いわゆるガラパゴス化である。 こうした国際規格を議論し調整し決定する最大の場として国際標準化機構(ISO)がある。このISOは電気・情報・通信分野を除く工業分野の国際的な標準である国際規格を策定するための民間の非政府組織である。電気分野はIEC(国際電気標準会議)、情報処理分野は、ISO/IEC JTC1、通信分野はITU(国際電気通信連合)がある。詳しくは、例えば、「標準の世界へようこそ」を参照されたい。 国際標準規格を決める場は当然、ネゴシエーションの場であるため、発言力のある顔(個人)の存在が重要となる。新参者ではなかなか影響力を発揮し得ない。つまり、その道で長くそうした交渉の場に立ち、顔を売り、顔を知られた個人の存在が重要となる。日本にも、メーカーに所属しながらもそうした顔を持つ人がいる。 しかし、そうした人も所属企業の定年がくれば交代を余儀なくされる。影響力を有する日本の顔が消えるわけである。果たして、そのようなことが日本の国益にかなうのであろうか。国際的な視野でみたとき、一企業の(定年という)仕組みなど問題ではない。こうしたシニア・プロフェッショナルが有する経験知・実践知を定年に関係なく活用し、そして継承しないともったいない。こうした国際的に影響力のある在野の人を日本としてもっと活かす仕組みが必要である。 職人的世界では、こうした定年はなく、その技能は弟子という後継者さえいれば伝承される仕組みが伝統的にある。もちろん、後継者問題は別の意味で大きな問題ではあるが。しかし、一般の企業社会においてはそうした個人的技能(特に知的技能)の伝承はその時々の経営者に左右される。しかも、それとてもあくまでも一企業としての都合次第である。 とすれば、企業社会において国際的に通用するプロフェッショナルの方々は、一企業を超えた立場に身を置くことが日本のためになる。一企業を超えた立場とは何か、それはそうした人々のプロ集団化(組織化)である。国際的な交渉にはプロが必要であり、プロがその力量を発揮できるサポート体制(バックヤード)を有するプラットフォームが必要である。 交渉のプロの良い例が、プロスポーツにある。例えば、野球の世界では、契約時において、マスコミに登場するのは選手本人ではなく、代理人の辣腕交渉人(いわゆるエージェント)である。彼らはまさに交渉のプロであり、依頼人の利益最大化のために動く。 また、法律を武器に、依頼人の利益最大化のための交渉を職業とするプロが弁護士である。 いずれにしても、国際的に通用する個人(シニアプロフェッショナル)がせっかく培ったノウハウ・インテリジェンスを一企業の中で埋没させることなく、日本のために、活かし続けられ、そしてうまく伝承できる仕組み・場をつくっていきたいものである。 (ガキ)