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政権交代を踏まえて 地方議員のブレーン集団の構築を

8月30日の衆議院総選挙により、民主党が308議席を獲得し、第一党になった。そして、いよいよこの9月16日に政権党に名実ともになる流れとなっている。

江戸幕府による幕藩体制から西洋的近代統治体制に移行した明治維新、そして第二次世界大戦の敗戦によるGHQの占領下での民主主義体制への移行に匹敵するかもしれない大きな社会構造変化の可能性を予感させる今回の選挙結果である。

この大きな社会構造の変化とは何か。それは、新しい政権党が命題としている明治以来の「官僚内閣制」から政治主導の「議院内閣制」へのシフトである。つまり、霞ヶ関の官僚群による中央集権統治体制から、政治すなわち主権者(国民)主導による分権的統治体制への組み替えである。この分権の主要な有り様が地方分権である。

民主党政策集 INDEX2009(発行日 2009年7月23日) 地方分権推進と国家公務員総人件費の削減 真の行政改革のためには、国と地方のあり方を抜本的に見直し、地方分権を進めることが不可欠です。新設する「行政刷新会議(仮称)」(前掲)のもとで、国の役割を大幅に限定して事務事業の多くを地方へ移譲するという観点から事務事業の見直しを集中的に行います。 国の機関の組織および定員は行政刷新会議の提言に基づいて抜本的に改めます。大胆な地方分権等の結果、国家公務員の定数も大幅に減少すること等により、国家公務員総人件費を2割以上削減することが可能になります。 地域主権の確立 住民に一番身近な基礎的自治体を重視した分権改革を推進し、中央集権制度を抜本的に改め、地域主権国家を樹立します。 当面の5〜10年間は地域主権国家の礎を築く期間とします。地域主権国家の母体は基礎的自治体(現在の市町村)とし、基礎的自治体が担えない事務事業は広域自治体が担い、広域自治体が担えない事務事業は国が担う、という「補完性の原理」に基づいて改革を進めます。 基礎的自治体については、その能力や規模に応じて、生活に関わる行政サービスをはじめ、対応可能なすべての事務事業の権限と財源を、国および都道府県から大幅に移譲します。例えば、人口30万人程度の基礎的自治体に対しては、現在の政令指定都市と同等レベルの事務権限を移譲します。小規模な基礎的自治体が対応しきれない事務事業については、近隣の基礎的自治体が共同で担う仕組みをつくるか、都道府県が担うこととします。権限の移譲に並行する形で、自治体の自主性や多様性を尊重しながら、基礎的自治体の規模や能力の拡大を目指します。また、大都市制度のあり方を検討する一方で、住民と行政との距離を縮めるため、政令指定都市の区や合併前の市町村などを単位とし、一定の権限を持った自治区を設けられるようにします。 国の役割は、外交、防衛、危機管理、治安、食料・エネルギーを含む総合的な安全保障、教育・社会保障の最終責任、通貨、市場経済の確立、国家的大規模プロジェクトなどに限定していきます。その結果、国会議員や国家公務員も国家レベルの仕事に専念できるようになります。国の出先機関である地方支分部局は、その事務を主に都道府県・政令指定都市等に移管することに伴って原則廃止し、国と地方の二重行政を解消します。例えば、現在の地方支分部局の事務事業である河川管理等の広域的対応が必要な事務は、都道府県が連携して対応することとします。 広域自治体については当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本とします。都道府県から基礎的自治体への事務事業の移譲に伴い、都道府県の役割は、産業振興、災害対応、河川、基礎的自治体間の調整などに限定されていきます。都道府県等が効率的な運営を図ることなどを目的として、現行制度を前提とする広域連合や合併の実施、将来的な道州の導入も検討していきます。これらについては、地域の自主的判断を尊重します。 その後も基礎的自治体の規模や能力の拡大、広域自治体の役割の整理をさらに図り、将来的には、多様性のある基礎的自治体を重視した地域主権国家を目指します。

この地方分権を考えるとき、重要な問題がある。それは、長らく中央集権下にあったため、自律するだけの地方自治力が育っていないことである。その象徴が霞ヶ関官僚出身者による知事の数の多さである。平成21年8月1日現在の全国知事会のホームページで知事のプロフィールを改めて調べてみると、47都道府県中27名(57%)が官僚出身者であった。明治の官制知事を彷彿とさせる。

 出身省別知事数

 自治省 11名、通産省 8名

 建設省 2名、大蔵省 2名

 運輸省 1名、外務省 1名、農林省 1名、文部省 1名

自律できる地方分権のためには、地方の立法・行政能力の向上が欠かせない。そのためには、特に地方議会・議員に対するブレーン集団が必要である。そのブレーン集団の核となりうるのが地元大学である。その際のポイントは、全国あるいは海外にいる多様な経験と知恵を有する地元大学の同窓生の活用である。そのためのツールというかプラットフォームがビジネスSNS(Social Networking Service)である。是非、このような仕組みの構築を行い、活用してほしいものである。