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妙高高原 赤倉温泉に想ふ

2008年GWの前半4月28〜30日に「越後富士”妙高山”のふもとでたっぷり温泉三昧 2泊8食付き! 源泉掛け流し赤倉温泉でくつろぎ3日間」のバスツアーパックで赤倉温泉に行ってきた。赤倉温泉スキーヤーの世界ではそれなりに知られているようであるが、スキーをしない私は今回初めてその存在を知った。

4月28日朝7:30過ぎに自宅を出て、西武線本川越駅に着き、そこからさらに約10分あまり歩いて、集合場所であるJR川越駅前に行き、9:00に予定どおり出発した。

ところで、何故、西武線の駅はJRの駅と直接接続しないのか。本川越駅(西武)と川越駅(JR川越線東武東上線)、秋津駅西武池袋線)と新秋津(JR武蔵野線)、西武新宿駅西武新宿線)と新宿駅(JR線、京王線小田急線、都営地下鉄線、東京メトロ線)。西武線以外はJR駅と接続しているのに、これは西武鉄道の体質か? 駅設置の際の経緯や考え方を知りたいものである。

さて、バスの乗客は43名、二つのツアーコース(宿泊するホテルが異なる)の共同運行バスということで、満席であった。どちらのコースも温泉でのゆっくり旅ということで年配者が殆どである。

関越自動車道/川越I.C.→藤岡JCT→更埴JCT上信越自動車道/妙高高原I.Cを経由して、一般道に降り、民間のおみやげ屋施設で昼食休憩。こういう場所は、大型観光バスが十分駐車できるスペースがあり、最初からこうしたツアーバスを呼び込むことを前提に設計されている。ツーリストとのコラボレーションである。昼食休憩も終わり、再出発して、13:30頃には宿泊するホテルに着いた。GWではあったが途中殆ど渋滞もなかった。やはり高速道路があり、かつ渋滞がなければ便利である。

宿泊した赤倉パークホテルホテルは妙高山を仰ぎ見る場所にある小綺麗なプチ観光ホテルといったところか。ホテルの方に聞くと、おばあちゃんが別荘を買い取って始めたホテルで3代目とのこと。このおばあちゃん、海外旅行が好きで、インドネシア・バリ島やエジプトで絵画を買い込んできたとのことで、それをホテル内のあちこちに掛けている。絵のセンスは悪くない。しかし、絵本体よりも額縁の方に金がかかるとのことであるが、これはよくある話。

ホテルからの妙高山路を遮断する雪さて、少し休んで、早速、散策マップを手に温泉街を一回り。一回り約2km(約3,300歩)とのこと。あちこちに雪が残っているというか積もっている。岡倉天心六角堂へ行く路は雪のため通行止め。妙高山にももちろん多くの雪が残っている。妙高山は高さ2,454mの複式火山で「日本百名山」にも選ばれているらしいが、確かに雪を頂く妙高山はきれい。しかも赤倉温泉街はそのふもとにあり、間近に見られ圧倒される。従って、山裾を流れる川に向かって坂に街全体があるため、雪解け水が坂道の脇を下る勢いの激しさに自然のすごみを感じる。

一方で、温泉街を一回りして感じたことは、スキー客を当て込んだ民宿が多いことであるが、本格的なスキーシーズンが終わったこともあるのであろうが、何となく街に活気がなく、うら寂れた感じがする。表通りに面してつぶれたままのホテルも散見される。裏通りには取り壊されて門だけが残された跡地がいくつも見られる。ホテルの方に伺ったところ、バブルの時に建てられた旅館やホテルがバブルの崩壊とともに潰れたところが多いとのこと。いずれにしても、何となく侘びしい。

1ヶ月ほど前に高知に出張で行ったときも、昔に比べて何となく人通りが少なく活気が感じられず侘びしさを感じたが、こうした感じは全国の地方都市・街で共通のことなのだと再認識する。街中で人の気配が感じられるような仕組みが必要である。特に、観光地はそうした街全体としての活気ある雰囲気を醸し出す仕組みの演出が不可欠なのではないか。個々のホテル、旅館だけが頑張っても仕方がない。旅人は街としての雰囲気を味わいに来ている。その雰囲気を醸し出す源の一つが歴史・由来等を含めた蘊蓄(うんちく)等の情報である。表面的な情報ではなく、しっかりした情報を提供し、街及び周辺の散策の選択肢を提供して欲しいものである。

さて、街を一回りしてまだ夕食まですこし時間があるので、ホテルで3箇所の温泉には入れる「赤倉温泉湯めぐりチケット」(1,200円)を買い求め、まずは赤倉温泉を代表する共同温泉場である「大屋天風呂 滝の湯」に入る。赤倉温泉の湯は源泉温度52度の高温でそれを42度に冷ましていた。この温度だと長湯できる。源泉の証の湯花がそのまま入っている温泉で泉質は硫酸塩・炭酸水素塩温泉とのこと。確かに湯質はなかなか良い。炭酸水素塩が入っているので肌にもいい。ところで、湯花が白いものだけでなく、黒いものもあることを始めて知った。しかし、湯花がそのままあちこちに浮遊していて、何となく汚い感じがするのは否めない。ホテル内にある温泉では、お客が嫌がるので湯花を取り除いているとのこと。さもありなん。

翌日は、1日乗り放題で500円の「妙高高原周遊バス ぶらっと妙高」(毎日3回巡回運行)で妙高高原巡りをした。運転手の話だと、妙高高原には7つの温泉場があるがその中の6箇所を巡るとのこと。妙高高原めぐりのバスにはこのほかにも「赤倉温泉発 まるごと妙高 周辺名所観光バス」(1,800円)があるが、野尻湖がみられないことを除けば、圧倒的に「ぶらっと妙高」の方がコストパフォーマンスが良い。ホテルの近くのバス停から9:20に出発。昨日一緒に来たツアー客の半数近くの人が乗っていた。赤倉温泉街の中だけではすることがないのでみんなこの周遊バスを使って周辺散策をするのだろう。ところで、このバスの運転手は3人で日替わり交代制らしいが、この日の運転手は観光バスらしい説明力のある語り口の運転手であった。翌日の運転手はほとんど説明しない無口でまじめな運転手であった。

苗名滝への路苗名滝最初に終点の「苗名滝」で降りる。バスが折り返し運転で発車するまでの約50分が散策時間となる。バス停から、雪道や雪解けでぬかるんだ道を歩いて15分ほどで苗名滝に着く。苗名滝は新潟県と長野県の県境にあり、滝の近くに架かっている吊り橋の真ん中当たりが県境とのこと。関川の本流にかかる滝で、高さ55m、柱状節理をもつ玄武岩断層でできていて日本の滝100選に選ばれているとのことで、近くで見るとすごい迫力がある。この滝を見るだけでも、バス代500円の価値は十分ある。

関川砂防ダム関川砂防ダムの魚道資料によると、1995年7月11日に100年に一度という大洪水をおこし、この滝へ通じる遊歩道もすべて、流失しその後復旧したが、川の姿は大きく変わり、砂防ダムも完成したとのこと。この砂防ダムが凄く立派でびっくり。魚道もきちんと整備されている。魚道と分かる人は少ないようであるが。この砂防ダムの壁に埋め込まれているプレートを見ると「関川第1号砂防ダム」が正式名称で平成15年10月に完成しているようであるが、これが国の直轄事業ではなく、新潟県土木部による砂防事業と分かり、さすが「新潟県」と再認識。しかし、ここまでハードに金をかけるなら、もう少し情報提供・発信機能といったソフトにも配慮して欲しい。それが税金を投入した責務ではなかろうか。欧米の同様の施設にはそのような配慮がなされている。

妙高山を望むいもり池の水芭蕉水芭蕉アップ苗名滝からの帰路「池ノ平いもり池入り口」で降りる。妙高山が最も美しく見える場所がこのいもり池からの眺めらしい。水芭蕉の群生も見られる。尾瀬水芭蕉も有名であるが、こちらの場所もひけを取らないと地元の案内人が力説していた。確かに、いもり池、水芭蕉の群生、そして雪を残す妙高山、絵はがきそのものである。

このいもり池から「スカイケーブル」までは徒歩で移動した。結構な距離で少々足が疲れる。スカイケーブルは赤倉観光ホテルのスキー場のゲレンデに行くためのケーブルカーで往復1,000円。眺望が良さそうなので行くことにしたが、やはり上に行ってもゲレンデだけで何もない。もちろん雪はまだあり、スキーヤースノーボーダーが楽しんでいる。折角なので昼食を取りながらゲレンデを眺める。スノーボードを見ていると、ストックを使うスキーがなぜか古くさく見える。野尻湖が遠くに見えたが、スキーを楽しまない者にとって1,000円の価値はなかった。一般の観光パンフレットなどで、スカイケーブルを案内するなら、スキーを楽しまない一般客用の何かがあって然るべきで、そうでないならスキー客にだけ案内すればよい。何となく騙された感じがする。

ケーブルカーを降りてきて、周遊バスでもう一方の終点の「燕温泉」まで行った。赤倉温泉から燕温泉までの通常ルートが雪のため通行できないので、迂回ルートで行ったがそのおかげで凄い渓谷を見ることができてよかった。到着した燕温泉の入り口には「秘境 燕温泉」と書かれていたが確かに秘境の趣あり。温泉宿が2つあるとのことであったが、停車時間が運行スケジュールの関係で3分ほどのため、バスから降りて見ることができず残念。スカイケーブルでつまらない時間を費やすことなく、こちらで時間を過ごした方が良かったと後悔するばかり。

周遊バスでの散策から宿泊ホテルに帰ってきて、足の疲れを癒すため、湯めぐりチケットで近くの老舗旅館の温泉に入りに行く。なかなか立派な旅館で露天風呂も良かったがロビーの無料コーヒーサービスが宿泊客だけで「温泉のみの利用者はご遠慮下さい」にはがっかり。マーケティング的にはこういう客こそが潜在顧客であり、コーヒー一杯で「良い旅館だな」とインプットとされ、「そのうち顕在顧客」として確保できるのであれば安いはずであるが、なぜかこういうところがケチくさい。

いよいよ最後の日。もう一度、あの燕温泉に行きたくて再度周遊バスに乗る。再び、バスの巡回スケジュールの関係で苗名滝を再度散策するが、この日は滝を間近に見る場所を昨日とは別のより険しいコースにとる。これが滝を真正面に見ることができ、なかなか良かった。そして、いよいよ燕温泉、この日の運転手はしゃべらずに飛ばし5分ほど停車時間があったので、バスから降りてわずかながらも散策。次は是非、温泉に入ってみたい。ホテルに帰ってきて昼食をとった後、残り1枚の湯めぐりチケットで隣のホテルの温泉に入りに行く。これが中にはいると外見とは違い立派なホテルでびっくり。女将さんの応対もきちんとしていた。お風呂、特に露天風呂は立派で妙高高原を見ながら1時間ほど赤倉温泉を堪能。

ツアーの帰りのバスの出発予定は14:30だったので余裕を持って隣のホテルから14:00に帰ってきたら、すぐにバスが到着して出発しますという。大あわてで荷物を持ってバスに乗り込む。帰りも若干の事故渋滞があった他は特に渋滞もなく、18:00頃、本川越駅に到着。

温泉以外は結構歩いたため足が疲れた2泊3日の旅であった。

明日からはGWの後半戦が始まる。ドタキャン発生のホテルを探してみよう!