アメリカにみる格差と分断
アメリカ大統領選挙が日本時間の今夜から投票が始まる。投票・開票後も混乱が予想されているように、「アメリカ国内の分断と対立」(特に、政治システム)が深刻化しているとの報道が続いている。その伝え方/伝えられ方にも分断と対立が見られる。
その背景として、経済的格差・社会的階層の拡大・固定化(中間層の崩壊・二極化)が指摘されている。加えて、中国台頭によるアメリカの圧倒的プレゼンスの高さ(覇権国家)の縮退による余裕のない国家・社会(アメリカ・ファースト)に移行する歴史的な流れの中、移民問題、人種問題、宗教問題が深刻な社会課題として多様な形で励起している。
かっての「まばゆかったアメリカ」はすでになく、「衰退・混乱・分断するアメリカ」は世界的規模での混乱、対立そして分断を誘発し、アメリカそのものが世界の「リスク要因」と化している。
リスク No.1 米国の敵は米国 米国の政治システムは著しく分裂しており、その正当性と機能性が低下している。議会、司法、メディアといった中核となる諸機関に対する国民の信頼は歴史的な低水準にあり、分極化と党派対立は歴史的な高水準にある。さらに、アルゴリズムによって増幅された偽情報が加わり、米国人はもはや、国家と世界に関する共通の確定事実があると信じなくなっている。
参考: 【米国社会の分断は危険水域】大統領選後に第二の「南北戦争」勃発の可能性、その背景とは? 冷泉彰彦( 作家・ジャーナリスト) 2024年10月21日 Wedge ONLINE
参考:深刻なアメリカ社会の対立と分断:大統領選挙を前に 2024年9月27日 2024年10月1日 (一社)平和政策研究所
参考:【ダイヤモンド・オンライン】2024年に深刻化する世界の「5つの分断」リスク、平和と安定のための処方箋 2024年01月17日 田中均・日本総合研究所国際戦略研究所