新型コロナウィルス(COVID19)に係る経緯等

新型コロナウィルスのパンデミックが収まらない。中国・武漢市で発生してから約4ヶ月、2020年3月末現在での状況を整理する。

 発生時期、その後の経緯

 ■ 2019年11月 中国・武漢市で発生

中国湖北省武漢市で新型コロナの発生(当時は原因不明の肺炎)が報じられたのが2020年の年明け早々であり、少なくとも2019年12月には発生していたことになる。遺伝子解析によれば2019年11月とのこと。

  ■ 2019年12月31日 WHOに報告

「2019年12月31日、中国湖北省武漢市で検出された病因不明の肺炎(原因不明)の事例についてWHO中国事務所に通知されました。2020年1月3日現在、病因不明の肺炎患者、全部で44人が、中国の国家当局によってWHOに報告されています。報告された44例のうち、11例は重症であり残りの33症例は安定した状態です。報道によると、武漢にある関係する市場は環境衛生と消毒のために2020年1月1日に閉鎖されました。」

出典:原因不明の肺炎-中国 2020年1月5日、厚生労働省検疫所

 ■ 2020年1月30日 検査キット開発

スイスの製薬会社ロシュが新型ウィルスの検査キットを開発し、中国に無料提供。

出典:ロシュの新型ウイルス検査ツール、診断の加速化に寄与する可能性、Bloomberg、2020年1月31日 

■ 2020年1月31日 WHO 公衆衛生上の緊急事態 発表

世界保健機関(WHO)の緊急委員会が、2020年1月31日未明(日本時間)、中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎の発生状況が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC: Public Health Emergency of International Concern」に該当すると発表した。

出典:中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎について(令和2年1月31日版)、厚生労働省、令和2年1月31日

■ 2020年3月2日 政府 日本国内の小学校・中学校・高校等の一斉臨時休業

■ 2020年3月11日 WHO パンデミック 宣言

世界保健機関(WHO)は2020年3月11日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大について「パンデミック」(新しい疾患の「世界的な感染拡大」)を宣言した。

出典:WHO、新型ウイルス感染拡大は「パンデミック」 積極的な対応呼びかけ、BBC NEWS JAPAN、2020年03月12日

■ 2020年03月12日 東京オリンピックパラリンピック延期

国際オリンピック委員会IOC)と東京2020組織委員会は、2020年3月24日、東京2020大会の延期を発表。これに伴い、3月26日から予定されていた東京2020オリンピック聖火リレーは、スタートせず。そして、3月30日夕、国際オリンピック委員会(IOC)の臨時理事会で、オリンピックは2021年7月23日~8月8日開催、パラリンピックは8月24日~9月5日開催に決定。

■ 2020年3月25日 東京都小池百合子知事 週末の外出自粛要請

■ 2020年3月30日 東京都小池百合子知事 平日も外出自粛要請 

事実関係

現在(2020年4月1日9:58)の全世界における感染者数857,957人、回復者数178,091人、死亡者数42,139人となっている。下記サイトで時々刻々と数値が変化していることが確認できる。指数関数のピークは未だ見えていない。中国、南米、アフリカ等の数値が真の実態を表しているかどうかは定かではない。

出典:米ジョンズ・ホプキンス大学 https://bit.ly/2wIDaHO

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その後の遺伝子解析の結果、新型コロナウィルスは天然由来のものであり、「陰謀論は否定」され、「2019年11月頃に動物からヒトへ飛び移ったことを示唆している」とのこと。

さらに、「軽症で病院にかからなかった人や、検査を受けていなかった人々が、知らないうちに新型コロナウイルスを広めうることが科学的に証明された。この発見から、感染スピードを遅らせる都市封鎖、学校・職場・店舗などの閉鎖、他人と一定の「社会的距離」を保つなどの対策が、世界中で次々と打ち出されることになった。」とのことで、昨今の対策の根拠がここにある。

出典:

 ネクストトレインによると、遺伝子分析による今回の新型コロナウィルスは「平均15日ごとに変位している」ことが分かり、その系統樹も作成され、「世界中をどのように移動しているか、局所的にどのように拡散しているかを特徴付けることができる」とのこと。

オープンソースプロジェクト「ネクスストレイン」(Nextstrain.org)は、アウトブレイク(集団感染)を起こした病原体の博物館のようなものだ。世界各地の研究機関が、患者から採取したウイルスの遺伝子配列データをここに投稿する。ネクスストレインはそのデータを使って、感染の広がり方を示した世界地図や、ウイルスの系統樹を描き出している。

出典:新型コロナウイルス拡散の遺伝的解析と状況報告2020-03-27

日本国内については、専門家会議においても状況分析レベルに留まり、結果、クラスター(患者集団)、オーバーシュート(爆発的患者急増)、ロックダウン(都市封鎖)と状況対処に関する言葉が飛び交い、生活品の買い占めさえ誘発するに至っている。正確な事実データ、科学的分析に基づくリスクコミュニケーションが望まれる。

関連サイト:

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 3 月 19 日)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報について、国立感染症研究所

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について、日本感染症学会

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報、東京都感染症情報センター

都内の最新感染動向、東京都 

 仕組み・体制

新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長 内閣総理大臣)が設置され、その下に、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(脇田 隆字 国立感染症研究所所長)が設置されている。実態的には、厚生労働省国立感染症研究所主導で状況分析、対策が講じられているとのこと。

■ 新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長 内閣総理大臣

 根拠法:新型インフルエンザ等対策特別措置法平成24年法律第31号)

■ 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(脇田 隆字 国立感染症研究所所長)

 新型コロナウイルス感染症対策本部の下に開催する(令和2年2月14日対策本部決定)

 座 長 脇田 隆字 国立感染症研究所所長(専門は、C型肝炎ウィルス

 副座長 尾身 茂 独立行政法人地域医療機能推進機構理事長

 構成員 岡部 信彦 川崎市健康安全研究所所長(元国立感染研感染症情報センター長

     押谷 仁 東北大学大学院医学系研究科微生物分野教授

     釜萢 敏 公益社団法人日本医師会常任理事

    河岡 義裕 東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長

    川名 明彦 防衛医科大学内科学講座(感染症・呼吸器)教授

    鈴木 基 国立感染症研究所感染症疫学センター長

    舘田 一博 東邦大学微生物・感染症学講座教授

    中山 ひとみ 霞ヶ関総合法律事務所弁護士

    武藤 香織 東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授

    吉田 正樹 東京慈恵会医科大学感染症制御科教授

■ 新型コロナウイルス感染症対策本部幹事会(議 長 内閣危機管理監

  [令和2年1月30日 対策本部長決定]