夏巡業大相撲秩父場所を観る

2019年8月7日、令和元年夏巡業大相撲秩父場所を観に行った。大相撲は小さい頃から大好きで、一度、本場所を観に行きたいと思いつつ、テレビ観戦のみであった。今回、秩父市に住む娘夫婦が一緒に観ようとチケットをとってくれたので、地方巡業も含めて、実際にはじめて観ることができた。開催場所は、秩父市文化体育センターで、この施設のこけら落としの平成2年に秩父場所が開催されてから、29年ぶりとのこと。

 

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9:52に西武秩父駅に着き、そこから車で15分ほどの所にある秩父市文化体育センターまで送ってもらう。公開稽古は8:00から始まっていることもあり、既に駐車場は満車状態。中に入ると席に案内される。タマリ席Aと云う座席で、かつ、花道脇。花道を通る力士を間近に観られる良い席であった。

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土俵では、申し合いとぶつかり稽古が交互に行われていた。稽古を観ていると、力士の素の顔や力士間の関係が何となく分かる。稽古が終わると、序二段、三段目、幕下の取り組みが始まる。力士の体の作られ方、行司の格に応じた着物の違い等がよく分かる。

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ここで一休み。相撲甚句、初切、櫓太鼓打分と続く。相撲甚句も時代により変わってきているとアナウンスされていたが、それでも、相撲の歴史・文化が織り込まれている。それにしても、力士の謡う声はすごく良い。力士のプロ歌手もいたがさもありなん。初切も禁じ手をおもしろおかしく表現しているが、漫才のような娯楽性を感じる。櫓太鼓の堅く締めた太鼓の乾いた音が相撲の世界に誘う。

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続いて、十両の土俵入り。やはり幕下以下とは雰囲気が違う。土俵入りの後、取り組み開始までの間の時間を使って、髪結実演がされる。日本の伝統的な髷文化を観る思いである。十両の力士になると、顔の分かる力士が出てくる。

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そして、いよいよ幕内土俵入。大関が不在なのでやや寂しいがそれでもやはり豪華な顔ぶれである。そして、横綱の土俵入り。白鳳の渾身の入ったせり上がりには会場からも拍手喝采。これは、生でしか伝わらないと実感。

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幕内の取り組みは千秋楽仕様で横綱対決も組まれている。強い力士は体の肌つやが綺麗で、怪我も少ないように感じる。体が痛まないうちに上位に駆け上がらないといけないと云うことの証左かもしれない。しかし、さすがに体がでかい! 碧山対逸ノ城戦を観ていると、その大きさだけで歓声があがる。一方で、テレビで小さく見える小兵力士も生で見ると意外と小さく感じない。どの力士も、花道を通る時に見ると、太ももや足がすごい。こういう力士が本場所で真剣にぶつかると怪我をするのも理解できる。

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弓取式が終わって、打ち出し。ほぼ午後3時。約5時間ちかく、座りっぱなしで足がしびれたが、お土産の座布団をもって退場。はじめて間近に観た大相撲巡業場所。その構成の造りこみ、力士の体つきの成長度合い、その背景にある勧進の仕組み、相撲社会の仕組み等、歴史と文化と現代性が醸し出す世界は一朝一夕にできるものではないと感じた1日であった。