はやぶさ2とアポロ

はやぶさ2 第2回タッチダウン

<本日(7月11日)、「はやぶさ2」探査機は小惑星リュウグウへの第2回タッチダウンを行いました。タッチダウンは、機上時刻で10:06(日本時間)におこなわれ、成功しました。>とJAXA が発表し、日本の宇宙技術の進化を証明して見せた。

はやぶさ2の「主製造業者」は 日本電気、「打上げ機」は H-IIAロケット26号機(製造:三菱重工業)である。日本のメーカー主導による国産技術である。昨今、日本の製造技術・品質の遅れ・退化等が云々されているが、こうしたフロンティア分野で先端技術が着実に蓄積されていることはすばらしい。

 

はやぶさ2」は小惑星サンプルリターンを行うミッションで、「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワ(S型)とは別の種類の小惑星(C型)<太陽系が生まれた頃(今から約46億年前)の水や有機物が、今でも残されていると考えられている小惑星>を探査することにより、惑星の起源だけでなく地球の海の水の起源や生命の原材料をも探求するミッション、をも担っているとのこと。

その運用のハイライトは、小惑星リュウグウの表面に人工的なクレーターを作り、風化していない地表面下のサンプルを持ち帰るといった、新しい技術への挑戦であり、今回、それが完璧「100点満点の1000点」 に成功したと云うことである。

JAXAのHPの小惑星リュウグウ」への第2回タッチダウン前後の画像を見ると、約24,000万km(2019.07.25現在の地球-探査機の距離)先とは想えない鮮明さである。探査機の管制技術はもちろんのこと、カメラと伝送・画像処理技術の進歩にも感嘆するしかない。

はやぶさ2」は、「はやぶさ」の経験を活かし、例えば、姿勢制御装置が3台中2台が故障したことを踏まえ、姿勢制御装置を4台搭載し、冗長性を向上させている等、さまざまな改良を行っている。2020年末頃とされる地球への帰還が待ち遠しい。

人類自らによる月のサンプルリターンのアポロ11号から50年

一方で、歴史上初めて、月を探査し地質サンプルを持ってアポロ11号が地球に帰還したのが50年前の1969年7月24日。

あの輝かしかったアポロの次代から、既に50年、いままた、あらたな宇宙への挑戦が本格化したと言えるのではなかろうか。地上での5G競争にはおいて行かれたが、新たなフロンティアで培った技術が民政レベルに落ちてきた時に、再び輝いて欲しいものである。