2018年5月19日、20日、6年ぶりとなる海上保安庁の本庁主催の「海上保安制度創設70周年記念観閲式及び総合訓練」が実施された。観閲式の観閲船(大型巡視船)は4隻(晴海埠頭から3隻、横浜港から1隻)で、2,000人が一般公募抽選で招待された。たまたま、その抽選(前回2012年の抽選倍率は6.32倍)に当たり、5月20日の観閲船の第4隻目(観閲船隊の最後尾)の「だいせん」(舞鶴海上保安部所属、ヘリコプター1機搭載型)の乗船券が送られてきたので、乗り場の晴海埠頭に東京駅から路線バスに乗り換えて行った。
数年前までは、オーシャン東九フェリーで徳島に帰省していたので晴海埠頭に来ていたが、久しぶりに来てみると、2020東京オリンピック・パラリンピックの関連工事で様変わりしている。
晴海埠頭での乗船受付時間10:30~、出航予定時間12:55と云うことで、余裕をみて11:00に晴海埠頭についたが、既に結構な人が乗船し、見晴らしの良い場所を占拠している。VIPの乗船もあるらしくSPを始め物々しい。出航までに時間があるので、船内を散策する。階段の踏み幅が狭く、かつ急で、これで緊急時に上り下りするのは大変だなと実感する。休憩室や医務室もある。
予定通り、12:55分頃に離岸する。約1時間ほどで観閲式、総合訓練海域に着く。東京湾内なので風があってもそれほどの揺れはない。巡視船の実際の勤務海域は当然、湾内ではなく外洋域なので結構な揺れも日常的にあるのではと推察される。
14:00頃から、船艇、航空機の観閲式が始まる。隊列した船それぞれで、甲板に正装した乗組員が敬礼して並んでいる。気が引き締まる。続いて、消防艇による観閲用にカラーリングされた放水が始まる。ヘリコプターの編成飛行訓練が続く。そして、人命救助訓練、海上防災訓練が始まる。「海猿」でみたシーンである。その後のテロ容疑船補足・制圧訓練もなかなかの迫力である。そして、高速起動連携訓練と続く。一連の訓練が終わり、フェアウェルが最後にあったが、訓練が終わった後でもあり、各船とも母港の紹介を兼ねた衣装や踊り等趣向を凝らし喝采を浴びていた。
参考:全編と5分ほどの圧縮版が即座にYouTubeに投稿されている。
▼3時間35分28秒のほぼ全編版
▼5分11秒の圧縮版
訓練が終わり、帰路につく船でヘリコプターの格納庫に設けられていた受付のスクリーンに安倍首相の映像が流れていた。そのときは、ビデオメッセージかと思っていたら、生中継であったことが後でわかった。甲板のヘリポートのところで陽を浴びながらのんびりと過ごしつつ晴海埠頭に向かう。晴海埠頭に着き、最寄りの豊洲駅行きの無料のシャトルバスで帰路につく。
快晴の中、巡視艇に乗って東京湾で過ごし、巡視艇や航空機の訓練を観て、海岸線の長い日本の海洋、特に東アジア側の警備には相当数の高性能の巡視船、航空機の投入が必要であることに思いを馳せた半日であった。