春間近の雨と雪の小田原、熱海で歴史を観る

2018年3月20日から21日にかけ、熱海の宿に泊まる機会があり、3月下旬に入ったと思えない寒さのなか、雨の小田原城を観て、夕方、熱海の宿に泊まった。明けて朝からは天気予報通り、雪交じりの雨となった。

 

小田原城

3月下旬とは思えない防寒対策をして、雨の中、自宅を出て駅に行った。車で行くか電車で行くか迷ったが、雪が降るかもしれないと云うことで、結局、電車でいくことにした。最寄りの駅から約2時間、小田原駅に12時過ぎにつき、そのまま小田原城に行った。真っ先に目に入ってきたのがお堀の水抜き作業。テレビ東京の「池の水ぜんぶ抜く」と云う番組のオンエア予定で、だいぶん水抜きが進んでいた。後で、WEBで調べると、3/21が外来種駆除の日で200人ほどのボランティアが募集されていた。残念、1日違いであった。その模様は4月以降に放送されるようである。

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そして、いよいよ正面入口から城内に入る。「小田原城は明治3年に廃城となり、ほとんどの建物は解体され、残っていた石垣も大正12年(1923)の関東大震災によりことごとく崩れ落ち、昭和35年(1960)に天守閣が復興、次いで昭和46年(1971)には常盤木門、平成9年(1997)には銅門、平成21年(2009)には馬出門が復元された」とのこと。

【公式】小田原城 難攻不落の城
小田原城 - Wikipedia

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 再建された門をくぐりながら、本丸・天守閣に向かう。途中に、ミニ動物園というかサルのオリがあったが、お城の歴史とも城内の雰囲気とも合わない。子供用と思われるが、なんとも理解しがたい。

天守閣も再建されているがRC構造で、中は博物館・展示館と云った雰囲気。2013年(平成25年)に、天守の木造復元を目指すNPO法人「みんなでお城をつくる会」が設立されているようである。天守閣の最上階の一角に、「摩利支天像」の安置空間が伝統的工法で再現されているが、木の文化、技術の承継の場として、天守閣全体を本来の構造物へ復元して欲しいものである。

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天守閣からの眺めはすばらしい。天守閣から、「大磯丘陵」が見える。大磯には、小田原藩の台場が置かれていたとのこと。

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14:30頃、お城を出て、駅前で遅い昼食をとる。そして、熱海に向かう。

熱海

熱海駅に着いたが、雨が降り寒いので、そのままホテルに向かう。MOA美術館行きのバスに乗り、MOA美術館から、タクシーで高台(300m)にあるホテルに向かう。17:00過ぎにホテルに到着。このホテルは、ゴルフクラブの宿泊施設(ホテル棟)で、従業員の方に伺うと、最近はゴルフをしない泊まりだけの客が多いとのこと。

部屋に入り、早速、部屋にある源泉かけ流しの半露天風呂に浸る。風呂からゴルフ場のコースが見える。天気が良ければ、コースの向こうに拡がる相模湾も一望できるはずなのに、残念。

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[本来、見えるはずのホテルから相模湾を望む眺め ホテルのHPより]

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その後、クラブハウス棟で夕食を食べる。残念だったのは、このレベルのコース料理であれば、お刺身に「スダチ」が付いていてよさそうだが、それがない。スダチの産地の出身者としては残念。

一夜明け、外を眺めていると、雨が激しく、風も強い。高い杉軒が大きく揺れている。そのうちに、雪になってきた。寒い。温泉につかり、朝食を食べに行く。ホテル棟から食事をするクラブハウス棟の間をゴルフカートで移動する。さすが、ゴルフクラブだけのことはある。

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食事の後、最後の温泉を味わう。熱海温泉の温泉を味わうのは今回がはじめてだが、このホテルの温泉は、海沿いの温泉とは源泉が違うとのことで、なかなか良かった。部屋に備え付けの説明書を見ていたら、温泉番付表があり、熱海温泉は箱根・伊香保温泉と並ぶ別格(行司)であった。さらに、その下の世話人の欄には、「大磯海水浴」「銚子海水浴」が記載されている。当時の海水浴は温泉浴と同じ位置づけの証左である。因みに、大磯海水浴はわが国の海水浴の発祥の地である。

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雪交じりの雨が降っているので、11:00にホテルを出て、タクシーでMOA美術館に向かう。こんな雪交じりの日なので美術館の客も少ないのではと思っていたら、結構な人出である。早速、入館すると、豊臣秀吉が創ったとされる「黄金の茶室」が復元、展示されていた。今で云う、移動式のプレハブ茶室と云ったところか。

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たまたま、「二大風景版画一挙公開 北斎と広重 冨嶽三十六景と東海道五十三次」と云う企画展が開催されていた。はじめて、冨嶽三十六景と東海道五十三次を間近に全て観ることができた。しかも、この美術館はフラッシュ撮影しなければ、写真撮影OKである。こんな機会はなかなか無い。

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このMOA美術館には、神奈川県大磯町の三井家別邸城山荘内に在った「片桐門」が移築されており、それを観たかったが、雨風が強く、庭の散策をあきらめた。

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(出典)大磯建物語 特別編 大磯城山荘  県立大磯城山公園(旧三井別邸築)、大磯町づくり会議、     2918年3月初版 より

展示を見終わり、熱海駅に行くバスに乗るため、バス停のあるエントランスまで長いエスカレータで降りていく。その雰囲気は、徳島県の鳴門市にある「大塚国際美術館」のエントランスのエスカレータに似ている。

MOA美術館前から熱海駅行きのバスにのり、帰路につく。17:00頃、最寄り駅着。寒い2日間であったが、いろいろと歴史に触れることができた良い旅であった。