懐かしのグループサウンド

昨日(2010年7月24日)、中野サンプラザホールで17:00から行われた「グループサウンズ・カーニバル2010 〜あの青春をもう一度〜」に行ってきた。

出演者は、加橋かつみ(タイガース)、真木ひでと(オックス)、三原綱木ブルーコメッツ)、今井久(パープルシャドウズ)、マモル・マヌー(ゴールデンカップス)、湯原昌幸(スイングウェスト)、黒沢博(バニーズ)、鈴木義之(バニーズ)、トメ北川(ハプニングス・フォー) であった。

彼ら出演者の概略プロフィールはこちらに載っている。これをみて、改めてああそうだったと、当時を思い出す。若年層にとっては、すでにGSという言葉自体がわからないようであるが。

このステージをみて、人間、50歳ましてや還暦を過ぎるとものすごく個体差がでることを再確認した。それは、肉体的個体差だけでなく、精神的個体差というか、人間の持って生まれた資質の違い、そしてその後のキャリア、生き様の違いが歴然と見えてくる。

加橋かつみは62歳であれだけのハイキーの音が出るということはまだ相当歌い込んでいる証であろう。真木ひでとはあと4ヶ月で還暦とステージ上で言っていたが、とてもそのような年には見えない声と動きであった。これもまた、日常的にハードなステージをこなしているのであろう。三原綱木は親分肌の雰囲気が出ている。バンドマスターという現在の職もなるほどと納得する。一方で、ようようのことでステージに立っている出演者もいた。40年前に若々しく輝いていたスターも様々である。

総じて、みんな、人に優しくなっている。こういう雰囲気の演者を見ていると、いい年の取り方をしてきたのが分かる。

一方で、彼らにキャーキャー騒いでいたファンもまたいい年になっている。おなじ仲間という感じでプレゼントを演者に渡している。生のステージの良さは、こうしたプレゼント渡しの時間がしっかり組み込まれている。ひとつの演出であろう。

そして、最後には係員の制止を振りきり、ステージに詰めより一緒に踊っている。ステージ近くに行けない者は通路や椅子席で立ち上がって踊っている。なんとなく、盆踊りのように見えなくもなかったが。何歳になってもファンもまたかってのイメージを持つファンのようである。プレーヤーにとって、ファンは本当にありがたい存在だろうなと感じずにはいられない。

昨今、楽曲販売からの収益を期待するのではなく、こうしたコンサートからの収益をベースとするのが最近のビジネスモデルと聞いていたが、確かに、ファンが高い入場料を払って何歳になっても駆けつけ、プレゼントを渡す光景を見ると、そのことを実感する。

そして、あのサウンド音と最後の盛り上がりを聞き見ていると、阿波踊りの強烈な「よしこの」を思い出した。人は音により、そして音楽により、動かされるのだ。ステージ周辺の喧騒を見ながら、いろいろ思いを馳せた3時間であった。できれば、2階席ではなく1階席で見たかった。