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奥多摩の「澤乃井」酒蔵見学と御岳渓谷散策

1週間ほど前、久しぶりに電車を利用しての散策を楽しんだ。最寄り駅で鉄道会社が募集していた酒蔵見学及び周辺散策である。

鉄道会社としては、鉄道利用増進の一環であろう。電車賃は自己払い、酒蔵見学は元々無料。酒蔵周辺の散策はもちろん無料。しかし、なかなかこういう機会でないといかない場所なので応募して行った。総勢40名である。意外と若い夫婦も参加していた。

集合場所の駅に9:40に集合し、9:54に出発。電車を乗り継いで、酒蔵のあるJR青梅線沢井駅」に11:05到着。片道1時間11分、運賃550円。そもそも、JR青梅線に乗るのも初めてである。途中にある青梅、羽村には子供が小さい頃、「青梅鉄道公園」や「羽村市動物公園」によく行ったがそれは車であった。電車に乗って、沿線の風景を眺めながら、こういうところだったのだと初めて知った。車を運転するのと、電車に乗って行くのとでは、見える風景が違うことを改めて認識した。手ぶらで気軽に電車で郊外を散策しに行くのもたまには良い。

さて、目的地は、清酒「澤乃井」を造っている酒蔵「小澤酒造」である。創業は元禄15年とのこと。HPの会社案内にも堂々と「創業元禄15年(1702年)」と記載されている。元禄15年とは江戸開府99年、年末には赤穂浪士の討ち入りががあった年である。300年を超えるすごい歴史をもった「ビジョナリー・カンパニー」である。

駅から急坂を下り、数分で酒蔵につく。入り口にある茅葺き屋根の家は、社長(当主)が現在も住んでいるとのこと。すごいの一言。小澤酒造の方に案内されて、いよいよ酒蔵へ。その酒蔵の造りがすごい。現在では手に入らない様な梁や柱で組まれた構造の酒蔵である。それだけで、歴史を感じる。

以下は、酒蔵の中、酒蔵脇にある「水」の源泉の写真である。酒蔵の中には、ワインやウィスキーあるいは焼酎と同じように2000年頃からの酒を寝かしてある。あるサークルの会員にしか卸していない幻の年代物の酒である。日本酒にもこういう古酒なるものがあることを初めて知った。

面白いと思ったのがこの酒蔵でも、大吟醸を造っているが、大吟醸酒粕でも板状になるとのこと。別途知っている秩父にある「秩父錦」を造っている酒蔵の大吟醸は板状ではなく、トロトロ状態になっている。これで甘酒をつくると格別である。酒蔵によって、大吟醸の作り方(絞り方)が違うようだ。また、秩父錦の方は南部杜氏であるが、澤乃井の杜氏は自社で養成した社員とのこと。

[caption id=“attachment_824” align=“aligncenter” width=“300”] 入り口から見る小澤酒造[/caption]

[caption id=“attachment_815” align=“aligncenter” width=“300”] 小澤酒造の社長が実際に住んでいる茅葺きの家[/caption]

[caption id=“attachment_817” align=“aligncenter” width=“300”] 酒蔵を支える梁[/caption]

[caption id=“attachment_819” align=“aligncenter” width=“300”] 屋根裏[/caption]

[caption id=“attachment_820” align=“aligncenter” width=“300”] 清酒を絞る機械(酒粕が板状に立つ)[/caption]

[caption id=“attachment_821” align=“aligncenter” width=“300”] 昔はこの急な階段を登って仕込み米を運んだとのこと[/caption]

[caption id=“attachment_822” align=“aligncenter” width=“300”] あちこちの置かれている貯蔵タンクの一部[/caption]

[caption id=“attachment_823” align=“aligncenter” width=“300”] 1999年物の古酒(一般には流通していない)[/caption]

 

酒蔵見学を終えて、解散する。その足で、酒蔵と道路を挟んで開設されている澤乃井園を散策する。まずは、「きき酒処」ヘ行く。小澤酒造のいろんな酒がおちょこ1杯300円で飲める。「凡」という特別な大吟醸のみ500円。せっかくなので、「凡」と10年ものの酒を飲む。2袋で300円のつまみをつまみながら飲む。さすがに美味しい。たまらずおかわりに行く。今度は普通の大吟醸。やはり、「凡」よりは味が落ちる。おちょこを持っていくとおかわりは200円。昼間から景色を眺めながら美味しいお酒を飲むのもたまにはいいものだ。車で来ていたらお酒は飲めないところだった。

[caption id=“attachment_825” align=“aligncenter” width=“300”] きき酒処[/caption]

 

ふと見ると、隣で引率してきた鉄道会社の社員おぼしき者が6人もいてやはり飲んでいる。40人を引率するだけのイベントに6人も人手を掛けるようでは赤字経営もしかたがないな、と納得。

ほろ酔い気分できき酒処をでて、澤乃井園の中にある軽食コーナーで軽く昼食を取る。

[caption id=“attachment_826” align=“aligncenter” width=“300”] おみやげと軽食コーナー[/caption]

 

少し腹ごしらえも出来たので、周辺を散策する。パンフレットを見ると、このあたりは多摩川を抱える「御岳渓谷」とのこと。澤乃井園から楓橋を渡り、寒山寺を経て、上流に向けて川辺の遊歩道を歩き、鵜の瀬橋を渡って、澤乃井園まで戻ってくる。このあたりの多摩川はカヌーにいいらしく、来年に予定されている第68国体のカヌー競技の開催地になっているとのこと。

[caption id=“attachment_827” align=“aligncenter” width=“300”] 楓橋から観る御岳渓谷[/caption]

[caption id=“attachment_828” align=“aligncenter” width=“300”] 遊歩道から観る澤乃井園[/caption]

[caption id=“attachment_829” align=“aligncenter” width=“300”] 遊歩道の眺め[/caption]

[caption id=“attachment_830” align=“aligncenter” width=“300”] 鵜の瀬橋から観る御岳渓谷[/caption]

[caption id=“attachment_831” align=“aligncenter” width=“300”] ところどころに設置されているカヌー艇庫[/caption]

[caption id=“attachment_832” align=“aligncenter” width=“300”] 澤乃井園から見る楓橋[/caption]

 

東京都の一部とは思えない奥多摩に300年続く酒蔵を見て歴史を感じ、渓谷を歩いて自然を感じ、なかなかの散策であった。散策が終わる頃にはほろ酔い加減も収まり丁度良い。

車では味わえないこうした散策は、車での移動が難しいシニアが中心の時代にはマッチしたものであり、もっとその良さを周知する仕組みがあっても良い。