夏から秋への端境期の箱根路

台風15号の影響が本格化する前の9月19日から9月20日にかけて、1泊2日で箱根を久しぶりに旅した。1日目は快晴、2日目は終日曇天、時には雨がぱらつく。前日に、2日間有効な箱根フリーパスl(¥5,000円)を購入する。

早朝、自宅を出て、新宿からは8:30発の小田急ロマンスカーで箱根湯本に向かう。9:55着。箱根湯本からは箱根登山バス箱根町港に向かう。箱根新道を経由して20~30分ほどで到着。ここで、海賊船に乗り換える。にわかに中国人の大きな声が多くなる。元箱根港を経由して芦ノ湖を縦断し、桃源台港に入港する。

[caption id=“attachment_574” align=“alignleft” width=“300”] 海賊船の乗り場 箱根港  [/caption]

[caption id=“attachment_630” align=“alignleft” width=“320”] 経由地の元箱根港[/caption]

早朝出発したため、お腹がすく。桃源台駅のターミナルビル内の桃源台ビューレストランでしばし昼食。一番人気という「とれたて卵オムライス」¥1,100円を食す。

ここからは、箱根ロープウェイでまずは大涌谷に向かう。大涌谷で降りて、自然研究路と称する道を登り、観光スポットの玉子茶屋まで歩く。以前に比べて道も玉子茶屋界隈も整備されている。中国人も増えている。そして自らは昔に比べて、体重の重さを感じる。膝のバネの衰えを感じる。減量の必要性を痛感する。登ったところで、名物の温泉黒玉子を買って頬張る。5個500円(つまり、1個100円)、いい商売である。

[caption id=“attachment_585” align=“aligncenter” width=“300”] 大涌谷の噴煙[/caption]

[caption id=“attachment_587” align=“alignleft” width=“300”] 自然研究路[/caption]

[caption id=“attachment_590” align=“alignright” width=“320”] 玉子茶屋から見るススキ[/caption]

 

再び、大涌谷駅からロープウェイに乗り、早雲山駅まで行く。ロープウェイ越しに見える斜面の崩落防止のための工事が大々的に行われているが、どうみても自然の脅威の前にはその効果がどれだけあるか、疑問に思える。どんなコスト・ベネフィット分析をしたのか知りたいものである。

[caption id=“attachment_592” align=“aligncenter” width=“320”] 大涌谷の砂防工事[/caption]

 

早雲山駅箱根登山ケーブルカーにのり、強羅駅の1つ手前の公園下駅で降りる。ここに、宿泊先のホテルがある。14:00であったが、ホテルにいくと、チェックインは15:00からということなので荷物を預けて、目の前にある強羅公園を観に行く。この公園は、案内パンフや看板等を見ても一体どこが運営している公園か、全くわからない。帰ってきてから、ホームページをよくよく見ると小さく「箱根強羅公園は、箱根登山鉄道株式会社が運用しております。」と書いてあった。民営でよくあのような公園が経営できているのか不思議である。

さて、公園そのものであるが、バラ、あじさい、さくら、ツツジ等目玉の花の咲く時期ではないため、ほとんど感動がない。箱根という自然の中に、公園をつくること自体、コンセプト的に無理があるかもしれない。小田急グループの施設なのでフリーパスで入園できるのが唯一の救いである。

[caption id=“attachment_593” align=“alignleft” width=“320”] 強羅公園 白雲洞茶苑の茶室[/caption]

 

[caption id=“attachment_594” align=“aligncenter” width=“320”] 強羅公園 中央に位置する噴水[/caption]

[caption id=“attachment_595” align=“alignleft” width=“320”] 強羅公園 時期はずれのローズガーデン[/caption]

 

15:00過ぎになったので、ホテルに行き、チェックインする。なんとなく足が疲れた。まずは温泉に浸かる。温泉は内湯のみで露天はない。泉質は透明なナトリウム塩化物泉。温泉に浸かったあと、疲れがどっとでて、しばし眠ってしまう。眠りから覚め、夕食の時間19:30が来たので食事の場所に行くとまだ準備中。しばし待って、ようやく案内される。夕食は4,000円の会席料理にしたが、やはり4,000円ではまともな会席料理は食べれない。味付けも関東風なのか濃い。失敗。外食のほうが良かった。食事の後、またもや睡魔に襲われる。

翌朝、7:00過ぎに入浴してから朝食に行く。朝食はバイキングで¥1,750円、これは値段並みだが、コーヒーがまずい。今時、ホテルであのようなコーヒを出すのは顧客の評価を落とすだろうなあと思いつつ、部屋に退散。出発前にもう一度入浴。

天気が悪くなる予報なので、当初の予定であった箱根彫刻の森美術館は諦め、さてどうしたものか思案して結局、温泉巡りをすることにする。フロントで、「箱根強羅温泉 名湯手形」を購入。¥1,000円で3つのホテル・旅館の温泉に入れる。入湯するごとに手形の裏面のシールを取る仕組みとなっている。有効期限は3ヶ月とのこと。実は、購入したホテルではそうした情報は教えてくれず、この名湯手形で行ったところで知らされる。

強羅エリアは霧がすごい。ホテルの送迎車で強羅駅まで行き、そこから歩いて数分のとある温泉に入る。感じのいい家族でやっている湯治宿といった雰囲気。ここの泉質は酸性硫酸塩泉の白湯。露天風呂はあるが名湯手形客には提供していないとのこと。う~ん、残念。

[caption id=“attachment_596” align=“alignleft” width=“320”] 霧にかすむ強羅駅[/caption]

[caption id=“attachment_597” align=“aligncenter” width=“320”] 強羅駅近くの名湯手形で入浴した旅館[/caption]

続いて、二つ目の温泉に入るため桃源台に向かう。桃源台駅を降りてこれまた数分の白湯の宿と称する山田屋の湯に浸かる。ここも酸性硫酸塩泉。なかなかいい湯である。3階の男湯の脱衣所を突き抜けて松が伸びている。木を切らずに活かす心に感心する。4階には休憩所もあり、しばし休憩。

[caption id=“attachment_598” align=“alignleft” width=“320”] 霧と小雨の桃源台駅[/caption]

[caption id=“attachment_600” align=“aligncenter” width=“320”] 名湯手形で入浴した白湯の宿「山田屋」[/caption]

さて、13:00。桃源台からこのまま帰るには早すぎるので、昨日のルートを逆にたどることにする。箱根は、移動そのものが観光資源と思う。下手な施設は不要。台風の前触れか、風が強い。ロープウェイが揺れる。

[caption id=“attachment_601” align=“alignleft” width=“320”] ロープウェイ駅の風景[/caption]

[caption id=“attachment_602” align=“aligncenter” width=“320”] 霧(雲)に埋まる強羅エリア そして風に揺れるロープウェイ[/caption]

芦ノ湖はどんよりした雲を写し、昨日とは見える風景の色が違う。風は強いが、湖のため外洋とは違い、波はない。元箱根から、バスで箱根湯本を目指したが、途中の小涌谷駅からスイッチバックがみられる箱根登山電車に乗り換えることにする。箱根駅伝で馴染みのある道路を電車から見ながら下っていく。単線のため、駅ですれ違いのための待ち時間が結構ある。スイッチバックは途中2度行われる。16:00過ぎ、箱根湯本に到着する。

[caption id=“attachment_603” align=“alignleft” width=“320”] 強い風の中を進む海賊船[/caption]

[caption id=“attachment_604” align=“aligncenter” width=“320”] 数年前に泊まった懐かしい「山のホテル」[/caption]

[caption id=“attachment_605” align=“alignleft” width=“320”] どんよりした芦ノ湖[/caption]

駅前で遅い昼食を取ることにし、蕎麦屋に入るがこれがひどい。構えは立派で値段も高いが、お客に対するサービスがなっていない。お客をほったらかしでおしゃべりしている。店員を呼ぼうにもおしゃべりの声はすれども姿が見えない。16:47発のロマンスカーに乗りたく清算するもチンタラしたレジでどうしようもない。

無駄金を使った思いを残し、箱根湯本を出発し、家路につく。久しぶりの箱根路、複雑な思いが残る旅路であった。