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IT時代の情報の漏洩と管理

IT時代を象徴する情報漏洩が相次いでいる。媒体は、You Tube、ウィニーウィキリークス。勝手のように、新聞・雑誌、テレビといったマスメディアではなく、全てインターネット上の出来事だ。マスメディアがそれを後追い報道している。

You Tube尖閣諸島近海での中国漁船と海上保安庁の巡視船との衝突を撮影したビデオがアップ(11月4日)された。投稿した本人は削除したようだがコピーYou Tubeには溢れている。改めて、それらの映像を見た。漁船の船長らしき男が平然とたばこを吸いながら梶を切り、当てに来ているのが見て取れる。漁船側に緊迫感はない。しかし、逮捕時の映像はなく、撮影した生映像全てではないようだ。海上保安庁が編集した映像で、関係者の内部告発というのが現時点の有力な見方のようだ。

尖閣映像流出事件まとめ」なるサイトもあり、テレビで見るよりも、インターネットの方が状況がよく分かる。関連する書き込みも色々ある。

それに先立つ10月29日には、イスラム過激派などによる「国際テロ」対策を担う警視庁公安部外事3課が保管していたとみられる書類100点以上がファイル共有ソフトウィニー」上に流出している。

YOMIURI ONLINEは「何者かが国際テロに絡んだ極秘文書を電子データ化して、意図的に流出させた疑いが浮上している」と報じている。

一方、アメリカでも、内部告発サイトの「Wikileaks(ウィキリークス)に、イラク戦争の民間人殺傷動画(2010年4月)、アフガニスタン紛争に関するアメリカ軍や情報機関の機密資料約75000点以上(2010年7月25日)、イラク戦争に関する米軍の機密文書約40万点(2010年10月22日)が、それぞれインターネット上に公開されている。

何れも、行政内部の情報が、内部関係者により、インターネット上に暴露されたわけである。個人がその気になれば、行政府組織としての意思に反して情報が外部に一気に流布し、大きな社会的影響を与えることを知らしめた。

こうした一連の流れを見ていると、そもそも事実情報は政府関係者だけのものか、内部情報とする判断基準は誰が決めるのか、それが国益に適うものであるか否かについて、主権者(国民)は関与できないのか、主権者の代理人である代議士でも関与できないのか。

さらに、情報管理はそもそも可能なのか。情報が漏れるリスクは常に存在する。そして、インターネット上に漏れた情報の回収は事実上不可能である。コントロールが効かない。然らば、そうしたことを前提として、情報そのものを取り扱うことが必要ではなかろうか。

改めて、インターネット社会における情報に対する価値観、そして情報の取り扱いに関する社会的な仕組みの再構築が問われている。個人的な刑事的責任レベルの話ではすまない。国、国民としての意思が問われている。