帰省路と田舎の諸相

圏央道とカーナビ ~圏央道の効果を実感~

今年もお盆に帰省した。今年は、行きは高速道路で、帰りはフェリーを利用した。これまでは一般道路経由(府中街道等)で東京川崎ICから高速道路を利用していたが、この東名高速道路に乗るまでに約2、3時間を要していた。ところが今年は、平成26年6月28日に圏央道東名高速道路まで繋がったので、圏央道の入間ICから高速道路に乗ってみることにした。

昼の暑さを避け、8/11 16:00に自宅(所沢)を出て、入間ICから圏央道にのり、そのまま海老名JCT東名高速道路に入り、御殿場JCTで新東名高速道路に、そして18:50静岡SAで最初の休憩をとる。余り疲れずに一気に静岡まで来られるとは。圏央道の効果はすごい。ただ、残念なのは、新しい高速道路なのに、全体に線形とカラーリングが悪いこと、そしてトンネル区間が暗くて走りにくいことだ。構造物に新しさ、先進性を感じないのは何故だろうか。

圏央道 相模原愛川IC~高尾山ICの開通1ヶ月後の整備効果について国交省相武国道事務所

静岡SAで177円/リッターもするガソリンを補給して、19:20出発。20:55、浜松SAで2回目の休憩。食事を取り、21:45出発。そして、東名高速道路伊勢湾岸自動車道東名阪自動車道を経て、新名神高速道路の土山SAに23:23着。ここまで自宅からの走行距離426km。ここで1時間ほど仮眠して、1:00に出発。名神高速道路を経て、2:25に中国自動車道西宮名塩SAで休憩。2:47に出発して、4:10神戸淡路鳴門自動車道の緑PAで最後の休憩。4:20出発して、5:00徳島市郊外の女房の実家に到着。自宅を出てから13時間。総走行距離678km。夜間走行なので、熱くもなく、渋滞もなく、スムーズであった。

今回、事前にルート検索、カーナビ案内をいろいろ調べていて分かったのだが、高速道路会社の経路情報、カーナビ案内情報、SA/PAサービス機能情報の提供がスマフォ対応していない。利用料金を徴収しているのだから、今時、それぐらいのサービスはして欲しいものである。いまや、車載カーナビよりもスマフォのカーナビアプリの方が無料ながらも情報更新が早く、使える。Yahoo! Japan カーナビはなかなか良い。

こういうアプリが無料で提供されると車載カーナビに代わり、充電機能付きスマフォスタンドが車載カーナビに早晩取って代わるであろう。ということは、スマフォの音声応答(入力)機能の強化や、スマフォ画面をフロントガラスに転写する機能等が早晩、普通になることが予想される。あらゆる場面のモバイル機能がスマフォをプラットフォームとする時代が近づいている。

シャッター通り」ならぬ「朽ちた家通り」

8/13の午前中は、阿波市の実家で初盆があった。親戚一同が集まり、お坊さんが家に来て読経してくれる。お坊さんもお盆は分刻みの稼ぎ時で忙しそうである。

実家の周辺を車で走っていると朽ちている家が増えている。近くにあった立派な塀に囲まれていた屋敷も見るも無惨な姿をさらしている。勝手のそれなりの家並みが、串の歯が抜けるようにあちこちで朽ちて崩れかかっている。住む人がいない家は朽ちるのが早い。朽ちた家を壊して更地にすると固定資産税が高くなるとのことで、そのまま朽ちるに任せているとのこと。

聞くと、人が住んでいる家でもお年寄りが殆どで、実家のある通り沿いには子供が1人しかいないとのこと。お盆、正月、冠婚葬祭の時にしか人が集まらない。寂しい限りである。全国で似たような状況が拡がっている。

横須賀市で限界集落が生まれた理由 「日本で最も人口減が進む都市」の実像

現在、ふるさと納税や、飛行機の介護帰省割引があるが、都会に出て行った人が頻繁に実家に帰ってコミュニティを維持する為の移動支援・活動支援をするような仕組みが必要かもしれない。東京以外の全国の地方で人口が減る時代は、動ける人の移動によるアクティビティ(総流動)を上げるしかない。例えば、週末は地方で生活したり、仕事をしたりというスタイルがあって良い。WEB時代は、仕事はどこでもできる。グローバル時代は、本社は日本のどこにあっても良い。世界から見れば、所詮、Japanに変わりはない。通信コストは劇的に下がった。次は、移動交通コストを劇的に下げるしかない。

住民だけを対象にした地域政策、まちづくりではなく、地域に係わるアクティビティの担い手をターゲットにした政策・施策、企業活動、生活行動がキーとなる時期に来ている。

実家の掃除

8/14~8/15は、女房の実家の大掃除である。最近は、毎年、お盆に帰ると、軽トラックで3回ほど要らなくなったものを捨てに行ったり、家の中を修理したり、備品を買い換えしたりしている。重い不要物をもって階段を上り下りするのも、段々ときつくなる。腰の筋肉痛が2,3日続く。軽トラックは田舎の農家には必ずあるが、乗用車と違って、最初は運転しづらいがなれれば何とかなる。

意外と知られていない? 日本を支えるクルマ「軽トラ」その魅力を探る[2014.8.26追記] 

燃えないゴミ等雑多なものを捨てるには、有料の民間施設に持ち込む。資源ゴミは市役所の処理施設に持ち込めば無料である。いずれにしても、高齢世帯では処理は難しい。身内がやるしかない。こうした実家のモノの片付けは日本の社会的問題だとする指摘もある。小生も、子供にとっては実家であり、モノの処分で迷惑をかけたくないので、昨年末、自ら大半を処分した。その詳細は、本ブログの「LCP(Life Continuity Planning 人生継続計画)~自分史、終活・エンディングノートを超えて~」に記した。

大掃除が終わりかけた頃に、帰省する各一家が勢揃い。総勢15名。一気に賑やかになる。

「実家の片づけ」は日本経済の縮図だ あふれ返ったモノ、売れない家に悩む子世代、東洋経済ONLINE、2014年08月17日これが「実家の片づけ」に悩む人の実態だ! きっかけ、年代、費用、期間・・・独自アンケートで判明、東洋経済ONLINE、2014年08月20日

ホスピタリティの欠落したホテル

8/16は息子の御披露目会を開催した。ハワイで挙式したので、実家のある田舎の徳島で親戚への御披露目をした次第である。この会場選びが大失敗であった。8/15までは阿波踊りがあるため、その翌日に会場が開いていそうな某共済組合系のホテルを探して選んだのだが、そのホスピタリティのなさには唖然とするしかなかった。

まず、着物の着付けの部屋として、空いている和室を用意してくれたのはいいが、あの暑い最中、冷房も入れず、お客に提供する神経が分からない。使用した者は暑くて大変だったと、怒っていた。

料理、ドリンクもともにコースの中の最高ランクを注文したのだが、特にドリンクはひどかった。こちらから声をかけないと、ビンの栓を開けてくれない。選択肢が少ない。補充をなかなかしない。競争の激しい東京では考えられないひどさであった。料理も足りなくなったので、何かできるモノがあれば追加したいと掛け合うと、しばらくして、事前に注文したモノ以外は用意できないと言ってくる。来て頂いた親戚の皆さんには、十分なおもてなしができず、本当に申し訳なかった。二度とあのホテルは使うことはない。

やはり、競争環境にないサービス業はどうしようもない。この共済組合系の施設は県内ではこのホテル施設のみになってしまったと送迎車の運転手をしてくれた方が言っていたが、このホスピタリティのなさではこのホテル施設も民間企業に譲渡した方が良い。

すだち

8/17は帰り支度の日。使用した布団を干し、シーツを洗い、ゴミ類を出す。我が家を除いて、帰省していた一家がそれぞれ帰っていく。そして、夕方すずしくなってから、恒例のすだち狩り。厚手のズボン、長袖のジャンパーに「手ほい」、そして頭にタオルと帽子という出で立ち。

すだち畑は、手入れをする手がないので、草ぼうぼうである。高齢化すると、こうした畑の手入れもできなくなる。草に打ち勝って成長したすだちは、それなりに価値はあるが。ことしは雨が多かったので例年よりは大きかったが、それでも「路地もの」としては時期的に少し早いので小さめのものが中心となる。手入れをしていないので、表面に傷も多い。しかし、すだちのあの濃い緑の粒は何とも言えない。すだち畑の向かいにある家のおじさんから差し入れのジュースを頂き一息。話し込む。

帰路のオーシャン東九フェリー

8/18 9:00に女房の実家を出る。お盆の時には、総勢15名も家にいたのに、我々一家も帰れば誰もいなくなると、おばあちゃんが寂しそうにつぶやいている。途中、フェリーの中で食べる昼食と自宅用の半田そうめん1箱をスーパーで買い込む。

11:00徳島港をフェリーが出航する。4人部屋の2段ベッドの個室は家族のみで使用でき、廻りに気を遣う必要がなく、なかなか良い。翌朝、5:40に予定通り、東京港のフェリーターミナル埠頭に着岸する。薄暗いなか、海ほたるの横を抜け、夜明けの陸側のビル群を海側から見るのはいつ見ても良い。遠くには富士山も見える。

7:30、自宅に到着。

以上