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笠間民芸の里・水戸偕楽園を観る

Business Model 催評 地方・ふるさと

週末を避け、月曜日(2017年3月13日)に、生憎の曇天であったが、笠間焼で有名な笠間市にある「笠間民芸の里」(民営)にお邪魔した。そして、その後、梅まつりを開催中の水戸の「偕楽園」を観に行った。

笠間民芸の里

朝、自宅を8:30頃出発し、関越自動車道の所沢ICで高速道路に乗り、東京外環自動車道を経由し、常磐自動車道の石岡小美玉スマートICで降り、しばらく一般道を走り、笠間民芸の里に10:30頃、到着した。約2時間。スマートICを降りてから笠間にかけての家並みをみていると屋根瓦がしっかりしたしつらえの良い建物が多い。なんとなく、雰囲気が神奈川県の大磯町と似ているなと感じる。

笠間民芸の里は、「笠間芸術の森公園」(茨城県都市公園笠間市が指定管理者) に道路(ギャラリーロード)を隔てた一画に立地している。面積約5千㎡の敷地の縁に沿って長屋風の25の事務所・店舗スペースがある。利用者が減り、空き店舗が増え、これをなんとか再生して活性化したいと、NPO法人グランドワーク笠間を立ち上げた塙 理事長が友人の副理事長と一緒にタンス預金で建物部分をすべて買い取り(敷地は借地)、ソーシャルビジネスとして行うために「ソーシャルかさま㈱」を設立し、運営しているとのこと。買い取ったときには10箇所の空きスペースがあったとのこと。その再生プランを送って頂いたので、現地を診てみたいと思い、今回訪れた次第。

以下は、当日は曇天でかつ休店日だったため、好天の営業日の雰囲気がわかるものとしてご提供いただいた現地の写真。

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2012年、70歳のときにNPO法人グランドワーク笠間を立ち上げ、いままた2017年、75歳にして、リスクをとって、コミュニケーションビジネスの母体としての会社を立ち上げ、リアルなプラットフォームを創ろうとする意欲には敬服するのみである。

会社経営のキャリアを有するシニアの方がリタイア後、地元で自らリスクを取りながら、こうした活動を行っていることは、地元自治体にとってもありがたいはずであり、宝である。地元笠間市との関係は現段階ではないとのことであるが、地方自治体はこうした事業体とお互いにWin-Winとなるように、もっと積極的に連携・協働・支援を考えてもいいのではなかろうか。

いずれにしても、いかにしてこの笠間民芸の里を再生していくのか、そして持続していくのか。まずは、その存在を周知し、コンテンツを訴求し、集客する必要があるが、その際の課題を以下に未熟考ながら列挙してみた。


1.再生コンセプト・コンテンツにあった施設空間の名称化

  • 現在の「笠間民芸の里」の名称ではギャップがある。

2.笠間芸術の森公園等に隣接している立地の良さを活かした連携と差異化
3.既存建物内だけではなく、広い屋根と駐車場を活かした賑わい交流空間化
4.これからの地方に必要とされる老若男女が集い育つ拠点化

  • 巷間云われる「CCRC(Continuing Care Retirement Community)」ではなく、もっとアクティブな「CCAC(Continuing Care Active Community)」こそが日本の地方にはふさわしい。

5.公営ではできない民営らしいアジャイルスタイルでのコミュニティビジネス起こし
6.経営・運営を行い承継する人材発掘・拡充
7.リスクマネジメントの実施
8.こうしたコミュニティビジネス拠点の全国的なブランド化・NW化

  • 道の駅のようなイメージであるが、笠間民芸の里に隣接したエリアに道の駅を併設する方法もある。

参考までに、向かいにある笠間芸術の森公園についてWEBで調べてみると、駐車場1,000台を有する敷地面積54.6haの規模であり、「指定管理者による公の施設の管理運営状況(平成27年度分)」 によると、年間約48百万円(指定管理料)をかけながらも年々利用者が減少し、27年度の年間利用者数は81万人となっている。さらに、この公園に隣接して、笠間工芸の丘KASAMAクラフトヒルズ茨城県窯業指導所「匠工房・笠間」も立地している。

笠間民芸の里を辞した後、せっかくなので、向かいにある笠間芸術の森公園に寄ってみた。施設は休館日であったが公園そのものには入れるので、中に入り、小高い場所から、笠間民芸の里を見る(下記写真)と、確かに見えるが、風景に溶け込みすぎて、笠間民芸の里と知っていないとそうとはわからない。せっかくの好立地が活かせていない。公園からよく見える平屋建ての広い屋根を使わない手はないと再確認した次第。

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水戸の偕楽園

笠間から一般道を使って水戸の偕楽園に行った。所要時間約40分。偕楽園は、2月18日から3月31日まで「水戸の梅まつり」が開催中で、平日でもそれなりに来園者がいる。偕楽園を訪れるのは初めてである。これで、日本の三名園(兼六園、後楽園、偕楽園)をすべて観る事ができた。

偕楽園の桜山第二駐車場(駐車料金500円)に車を止め、梅桜橋を渡り、表門方面から梅林を散策した。開花のピークは過ぎてすぎていたが、それでもなかなかのものである。この梅林は水戸藩第9代藩主の徳川斉昭が非常食用のために計画したとのこと。約100品種、3,000本の梅の木が植えられているとパンフレットには記載されている。

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梅を見ていて、有名な梅の木「虎の尾」の脇に「QR Translator」によるQRコードの掲示板を設置しているのに気づいた(下記写真右下)。これは、知己の方が役員をしている関係でその仕組みを知っていたが、実際に使用されているのを見るのは初めてであった。QRコードを読み取ると確かに日本語の説明案内URLが出てきて、それをクリックすると、梅の木の説明が読める(下記写真下の説明画像)。

しかし、その仕組みをしらない人が多いのか素通りしている人が多い。仕組みを入り口なり、あるいは公式サイトできちんと案内しておく必要があるのでは思った次第。多言語対応ができているので、インバウンド対策として最近話題になっている。使い途は全国、さらには世界中で色々ありそうである。

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参考:QR Translatorとは(HPより)
看板や印刷物をとても簡単に多言語化出来る世界で初めてのソリューションです。 サイト上から発行されるQRTコード*を看板に設置したり、文書と一緒に印刷してご利用下さい。 ユーザーが自分の携帯端末でコードを読み取ると、ユーザー端末の言語設定を認識して翻訳文を表示させます。 QR Translatorの仕組みは日本で特許を取得、PCT(特許協力条約)に基づく国際出願も完了しています。

梅林を散策してから好文亭(入園料200円)に入る。好文亭は、徳川斉昭自らが設計した木造2層3階建ての建物である。梅林や遠くの山を観ながら、詩歌を詠み、慰安の語らいがあったことに思いを馳せるとなかなか贅沢な空間である。雨戸を建物の角の柱をそのまま回して向きを変えるコマのようなものが設置されていて、日本建築の伝統の知を垣間見た。

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その後、再び、観ていない梅林エリアを散策した後、帰路についた。園内及び周辺に昼食をとる所がなかったので、常磐自動車道の守谷SAで軽い昼食を取り、帰ってきた。色々と得ることの多い1日であった。