時評

2016リオ・オリンピックを観て

2016年8月22日、2016リオ・オリンピックが閉幕した。心配された会場準備もなんとか間に合い、治安も何とか保たれていた。開会式もセンスのあるものだった。難民五輪選手団(選手10人)も参加し、オリンピズムの根本原則4を具現化するものであった。どういう…

シェアリングエコノミーとプラットフォーム

シェアリングエコノミーとプラットフォームの本質と違いは何か 最近、シェアリングエコノミー(collaborative economy 、sharing economy)とプラットフォーム(platform)と云う言葉が時代を表す用語になりつつある。 シェアリングエコノミーとは何か? 欧…

形だけの仕組みに魂を入れよう! 新陳代謝を起こそう!

世界の枠組み、仕組み、市場が大きく代わろうとしている中で、わが国は何となくこれまでの慣性で流れている感じがする。場面においては、先祖返りの様相さえ見せている。象徴的な事件も発生している。世界的な構造変化の時代の流れの中で、持続的に存在感を…

子育て支援雑感

2015年12月中旬に娘が出産した。初孫である。今年の5月には息子夫婦にも子供が生まれる予定である。3人の子供を産み育て、その子供たちに2人の子供が生まれる。新アベノミクスで標榜している「希望出生率1.8」(昨年の合計特殊出生率は1.4)の達成にはもう少…

「総活躍社会・地方創生」に向けて ~ジョブ型を超えてプロジェクト型へ

筆者は「日本専門家活動協会」を主宰し、「高齢者活躍支援協議会」にも係わっている。こうした関係で、「1億総活躍社会」と云われると、確かにそれはそうだが、どうやってその政策目標を具体的に実現するのだろうかと気になる。

言葉の軽さ、先祖返り

「3本の矢」のKPI、PDCAが回りきらぬ内に、「新・3本の矢」が打ち出された。「女性活躍社会」が加速する前に、新たに「1億総活躍社会」が打ち出された。言葉を覆い被せ、責任もとらず、前の言葉を忘却の彼方に消し去る。公言した言葉に重みがない。 ▼アベノ…

大磯を歩く

2015年9月20日(日)、快晴の中、神奈川県の大磯町を歩いた。大磯町は、「湘南発祥の地」である。江戸時代は日本橋から約70km付近に位置し、8番目の宿場町であった。そして、明治期に入ると、「日本最初の海水浴場」が開設(明治18年)され、多くの著名人も…

海路による帰省と海から考える地方創生

今年も例年通り、お盆に帰省した。今年は久しぶりに往路・復路とも、オーシャン東九フェリーを利用した。直前の7月末に、北海道・苫小牧沖で長距離カーフェリー「さんふらわあだいせつ」の火災事故は発生したばかりであったが。 ▼2015年8月1日 カーフェリー…

新国立競技場騒動から見えたもの

新国立競技場の建設が揺れている。そもそも、建設以前に、旧国立競技場(正式名称:国立霞ヶ丘競技場・陸上競技場)の解体工事の発注段階からいろいろ腑に落ちない事が続いていた。そして、壊した後に、いよいよ着工の段階になって、今度は建設コストの問題で…

実態と仕組みのギャップ拡大 その1:空間利用

最近、いろんな場面で、仕組みと実態のギャップが大きくなっている感がする。仕組みには、旧来の仕組みだけでなく、新しくつくられた仕組みも含まれる。時代の節目となっている今、基底に流れる時代構造の変化の本質を捉え、実態とのギャップを解消するた仕…

東洋ゴム工業の免震ゴム偽装問題

建築物の安全性に関わる偽装問題が再び露見し、ユーザに不安と不信感を与えている。地震に対する耐震技術には、剛性で地震力に耐える狭義の「耐震」、地震力をダンパーで吸収し揺れを抑制する「制震」と、今回の偽装事案の「免震」でこれは基礎と建物の間に…

地方創生について

地方創生の政策がてんこ盛りの状態で進められている。オリジナリティというよりも、課題として積み残されてきた関係省庁の各種既存政策を「地方創生」という旗の下で体系化・パッケージ化(府省横断ワンストップ化)した感が強い。各省庁が「地方創生」とい…

ふるさと納税の仕組みと効用

ふるさと納税が返礼品の競い合いで産直品のeーコマース化している。ふるさと納税とは何か、その仕組みはどうなっているのか、それにはどういう効用があるのか、地方活性化に活かすにはどうすれば良いか。確定申告の時期でもあり、地方創生が話題になっている…

空き家問題について考える

最近、空き家問題が騒がしい。「空家等対策の推進に関する特別措置法」も成立した。[H26.11.27公布。H27.2一部施行、H27.5全面施行予定]。改めて、そもそも、空き家問題とは何か。その本質は何かについて考えてみたい。 ▼空家等対策の推進に関する特別措置…

1強多弱の社会構造への傾斜

衆議院選挙が終わり、政治の世界にも「1強多弱」の世界が定着しつつある。というよりは、選択肢がなくなったというべきか。いずれにしろ、1強多弱の政界の影響は、今後、具体的に表出してくるものと思われる。WEB社会では、強いところはより強く、トップしか…

中村修二氏のノーベル物理学賞受賞と成長戦略

ノーベル物理学賞受賞者に青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇・名城大教授、天野浩・名古屋大学教授、そして母校の後輩である中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が選ばれた。「20世紀に火をつけた白熱電球に変わるエネルギー効率が良…

朝日新聞の誤報問題と新たなメディアの勃興

朝日新聞の誤報と謝罪 朝日新聞の謝罪が相次いでいる。8/5慰安婦誤報(朝日新聞は記事の検証結果の特集記事報道と位置づけ)、9/6池上連載拒否謝罪、9/11吉田調書誤報・慰安婦問題謝罪、9/14任天堂記事捏造問題謝罪。一気に溜まっていた膿を出しているような…

帰省路と田舎の諸相

圏央道とカーナビ ~圏央道の効果を実感~ 今年もお盆に帰省した。今年は、行きは高速道路で、帰りはフェリーを利用した。これまでは一般道路経由(府中街道等)で東京川崎ICから高速道路を利用していたが、この東名高速道路に乗るまでに約2、3時間を要してい…

STAP論文疑惑騒動について

STAP論文疑惑騒動が続いている。論文の筆頭著者(first author)である小保方さんを持ち上げるだけ持ち上げて、疑惑が起きると一転して、持ち上げたことは忘れて、これでもかと先を争ってバッシングしている。彼女の所属している理化学研究所(文部科学省所…

LCP(Life Continuity Planning 人生継続計画)~自分史、終活・エンディングノートを超えて~

年末が近づくと、気候の変化もあり、予期せぬことが起こる。亡くなる方も少なくない。筆者も、長兄が11月下旬 に脳出血で倒れ、亡くなった(享年68歳)。長兄の最後を看取りながら、想うことがいろいろあった。その一つが 、自らもいつ死を迎えてもいいよう…

消費税、年金、そして定年延長にみる制度設計の問題

最近、国民の生き方、働き方、ひいては人生設計に影響する仕組みの問題とその論議のされ方が非常に気になる。 東日本大震災の復興支援の財源確保という増税の目的と実際の使途のギャップ。このギャップをみると、まもなく始まる消費税増税決定時の社会保障目…

働き方の多様化と事業の起し方の多様化

最近、時代構造の変化を受けて、働き方も多様化しつつある。もはや、「雇われる」だけが働く形態ではない。 雇われていても、かってのような終身雇用制が保証されているわけではない。いつ、リストラされるかわからない。企業そのものの寿命も短くなってきて…

イノベーションの起し方・環境づくりのイノベーション ~知のバーチャルプラットフォーム~

日本の長期的な経済・産業の低迷を背景に、「イノベーション」の必要性が謳われ久しい。その大きな一つの手法として、産学連携が取り上げられ、文科省・経産省主導のもとに関連施策が推進されてきた。しかし、大学にとっての共同研究による外部資金の獲得手…

IT時代の年末年始

年末恒例の我が家の大掃除を行い、市の清掃工場へ処分するゴミをマイカーで直接持ち込む。ここ数年は、精力的に不用物を廃棄してきたため、数回往復してきたが、昨年末は1度で済んだ。この後、我が家の家族での忘年会を近くの居酒屋さんで実施。これは初めて…

スマートフォン・ライフそしてクラウド・ライフへの移行

最近、スマートフォンを某通信会社のiPhone5に変えた。2年前に携帯電話から切り替えて購入したスマートフォン(アンドロイド系の台湾メーカー製)と比べ格段に進歩している。電池寿命も良くなっている。WEBのサクサク感がすごい。マニュアル無しで使えるユー…

意思決定のギャップそして責任のとり方

まもなく、1年半を迎えようとしている東日本大震災からの復興はどうなっているのか。せっかくの復興予算も執行が遅れている。福島第一原発事故は、「依然として事故は収束しておらず、被害も継続」している(国会事故調)。東電による損害賠償も遅れている。…

福島原発事故の影響下にある塩原温泉郷で思ふ

2012年7月13日(金)から14日(土)にかけて塩原温泉郷(栃木県那須塩原市)に行った。塩原温泉郷は今回初めて行った。東北自動車道西那須野塩原ICで降りて程近いところにある温泉郷である。那珂川に至る箒(ほうき)川沿いに11湯が点在する1200年以上の歴史…

国家戦略会議 フロンティア分科会報告書(案)を読んで

国家戦略会議(議長:野田首相)の分科会として設置されたフロンティア分科会(座長:大西隆東大教授)の第4回会議(2012年7月6日)が開催され、<フロンティア分科会報告書(案)> あらゆる力を発露し創造的結合で新たな価値を生み出す「共創の国」づくり…

イノベーションは可能か  ~シニア専門家の存在価値~

日本の家電メーカーが軒並み赤字決算の様相を呈している。自前での液晶パネル生産にこだわったのが原因とされる。シャープは電子機器の受託製造で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本提携(事実上の筆頭株主)した。 一方で、この液晶テレビに…

9.11 アメリカの同時多発テロ10年、日本の大震災6ヶ月に思ふ

2011年9月11日は、東日本大震災・フクシマ原発事故から6ヶ月、そしてアメリカの同時多発テロから10年という節目の日であった。 アメリカは10年前のこの日を境に対テロ戦争に突入し、結果としてアメリカの疲弊を招き、アメリカ一極集中という状態をもはや維持…