里山の保全・活用エコシステムの構築へ

里山の実態

最近、「トトロの森」、鳥獣被害、木質バイオマス等により、里山への郷愁、関心が高まってっているが、そもそも里山とは何か、定義は様々で確定していないが、要するに「原生的な自然(人が住まない奥山・深山)」と「平場・まち場」の中間に位置する人の手が入ったあるいは人が利用してきた山(森林)を意味する。

環境省は、「都市域と原生的自然との中間に位置し、様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落をとりまく二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原等で構成される地域概念である」と定義する「里地里山」(国土 の約4 の面積。二次林約800万ha、農地等約700万ha)の概念を提示している。

環境省 自然環境局 里地里山の保全・活用

里地里山の保全に向けて ―二次的な自然環境の視点から―、国立国会図書館、レファレンス 2008.3

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日本品質の神話の崩壊~タカタ・三菱自工・日産・神戸製鋼~

日本品質「Japan Quality」に対する信頼・神話が崩れかけている。

 タカタ エアバック問題

2006年のタカタのメキシコのエアバック工場での原因不明の爆発以来、死傷者を出してきた問題が今年の1月に米国で司法的に決着、そして6月に負債総額1兆円超の戦後最大の倒産に至り、米国キー・セイフティー・システムズKSS(1年前に中国の均勝グループが買収)に1,750億円で事業譲渡されることになった。この間、タカタはメーカーとしての原因究明等の当事者意識、責任感が希薄であった。

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ふるさと納税のその後

本ブログで2年半前(平成27年2015.02.15)に、「ふるさと納税の仕組みと効用」と云うタイトルでふるさと納税のことについて言及したが、最近、ふるさと納税の返礼品が過剰ではないかとの議論が起きている。これは、返礼品が制度趣旨を超えるような高額なものや多様なものが少なくないことや、東京都特別区等で住民税が減収したことによる異議が唱えられたこと等による。

ふるさと納税で「赤字4億円」…町田市長が批判、読売新聞、2017年02月18日 
ふるさと納税に関する現況調査結果、自治税務局市町村税課、平成29年7月4日 
 【参考】ふるさと納税の受入額に対する返礼品の調達に係る費用の比率
      109,081百万円/284,409百万円=38.4% (昨年度結果:38.3%)
     

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「日本のいちばん長い日」を観て

終戦記念日か、敗戦記念日

録り溜めていた「日本でいちばん長い日」(2016.1.6Blu-ray&DVD Release 。テレビ放送2016年8月14日 日曜洋画劇場」を1年遅れでようやくみることができた。お盆に帰省しなかったことと、風邪で寝込んでいたおかげである。

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まちづくりの観点からの流域圏の見直し

流域圏の治水計画の見直し

最近、線状降水帯の長時間停滞による「集中豪雨」や、散在する降水域による「局地的大雨(ゲリラ豪雨)」による大雨が全国的に発生している。特に、線状降雨帯による集中豪雨はこれまでの河川計画で想定していた計画高水位を遙かに超える時間雨量を長時間にわたってもたらし、大きな土砂災害や洪水氾濫被害を惹起している。

集中豪雨・局地的大雨(ゲリラ豪雨)はなぜ発生するのか、気象庁、国土交通 2010.8-2010.9

治水計画の前提と対策を見直す必要があるが、対策のすべてをダム・堤防というハードに頼るかどうかは、里山から海に至る川の流域圏全体としてのあり方(すなわち、まちづくり)から再考する必要がある。

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建物探訪 近代建築と歴史的建築

近代建築-旧岩崎邸・迎賓館赤坂離宮・国会議事堂-

2017年5月27日(土)、東京都内に立地している近代建築の旧岩崎邸、迎賓館赤坂離宮、国会議事堂を観て廻った。都内での移動と入館手続きを考えて自宅の最寄り駅発の日帰りのバスツアーを利用した。

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山田洋次監督「家族はつらいよ2」を観る

昨夜(2017.05.19)、有楽町の読売ホールで、山田洋次監督の「家族はつらいよ2」を試写会で観た。おもしろくもあり身につまされる良い映画であった。1週間後の5月27日(土)にロード笑!とのこと。

 

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空き家問題と対策

まちの盛衰・空き家の盛衰

数年前から、自宅の最寄り駅(所沢駅)周辺の農地(茶畑、耕作放棄地等)や空き地が駐車場になったり、アパート・マンションがどんどん建っている。それがすぐに埋まっていく。最近は、少しでも空きスペースができると24時間稼働の駐車場に変わっていく。絶妙の料金設定に感心させられる。空き地の利用価値(時間価値)がよくわかる。

一方で、古いアパートに空室が目立っている。外観修理やWi-Fi無料化等の努力が見られるが、品質の違いは否めない。中には、小規模保育(ミニ保育所)に用途変更しているものもある。昨今の保育園不足を反映して、小規模保育(ミニ保育所)が多い。いわゆる屋外の遊び場がないので近くの公園に集団引率されて遊びに来ている。

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笠間民芸の里・水戸偕楽園を観る

週末を避け、月曜日(2017年3月13日)に、生憎の曇天であったが、笠間焼で有名な笠間市にある「笠間民芸の里」(民営)にお邪魔した。そして、その後、梅まつりを開催中の水戸の「偕楽園」を観に行った。

笠間民芸の里

朝、自宅を8:30頃出発し、関越自動車道の所沢ICで高速道路に乗り、東京外環自動車道を経由し、常磐自動車道の石岡小美玉スマートICで降り、しばらく一般道を走り、笠間民芸の里に10:30頃、到着した。約2時間。スマートICを降りてから笠間にかけての家並みをみていると屋根瓦がしっかりしたしつらえの良い建物が多い。なんとなく、雰囲気が神奈川県の大磯町と似ているなと感じる。

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「東芝」の迷走

不正会計問題からの再生を吹き飛ばす原子力事業債務問題

シャープに続いて、東芝が迷走している。平成27年に発覚した不正会計問題(東芝自身はいまだ、「不適切会計」と自称。「不適切会計問題への対応について」東芝HP)だけでも市場での存在を問われるべき状況にある東芝が、当該3社長時代に推進した原子力事業部門の経営悪化が顕在し、債務超過に陥りそうになっている。米国で平成31年から始めるシェールガス由来の米国産液化天然ガス(LNG)事業でも、最大で累計約1兆円の損失が発生する可能性がある(産経ニュース)とのこと。

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